昨今は、バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」が人気を博し、先日、W杯で盛り上がったラグビーも2021年を目標とするプロリーグ構想がスタートしている。プロ化が成功すれば、科学的なトレーニング環境も整い、選手が競技に集中できる。確実に強化を図ることができ、子どもたちや地方も含め、競技の普及・底上げができるのも大きなメリットだ。
そんなプロリーグだが、今やフィジカルスポーツよりも「eスポーツ(エレクトリック・スポーツ)」や「マインドスポーツ」の分野にスポンサーが集まっていることをご存知だろうか?
特に2017年に国際マインドスポーツに認定された麻雀は、翌2018年に「ゼロギャンブル宣言」とともに国内プロリーグ「Mリーグ」を発足。麻雀の健全化や競技人口の裾野を拡大するに留まらず、eスポーツ同様、将来的に麻雀をオリンピックの正式種目にするという大目標を掲げている。
チェアマンはサイバーエージェントの藤田晋社長、JリーグやBリーグを成功に導いた川淵三郎氏が最高顧問を務めるMリーグは、「赤坂ドリブンズ(博報堂DY)」、「EX風林火山(テレビ朝日)」、「KONAMI麻雀格闘クラブ」など、メディア系・エンタメ系大手が母体の7チームでスタート。2期目となる今年度は出版界から「KADOKAWAサクラナイツ」も加わった。1期目に続いてレギュラーシーズンの冠スポンサーは大和証券。対局はAbemaTVやパブリックビューイングで観戦できる。
ちなみに「プロ雀士」とは、ギャンブルで稼ぐパチプロとは異なり、競技麻雀のプロ団体に所属している雀士を指す。例えば、最も歴史のある最高位戦日本プロ麻雀協会の場合、書類審査・筆記試験・面接・実技試験からなるプロテストに合格することで所属プロに認定される仕組みだ。Mリーグには国内の5団体が参加しており、1チーム3~4名が「Mリーガー」として契約。シーズンオフには5団体の所属雀士を対象にウェーバー制のドラフトも行われる。もちろんMリーガーは賭け麻雀など御法度だ。
現在、Mリーグには現役最強の呼び声も高い多井隆晴や、モデルにして女流プロ雀士となった“役満ボディ”岡田紗佳、俳優とプロ雀士を兼業する萩原聖人ら、多士済々の面子が参戦。10月よりスタートした2シーズン目はパブリックビューイングの動員数やグッズの売れ行きも好調で、若年層や女性ファンも着実に増えているという。
1000万人と言われる日本の麻雀人口だが、アプリでネット麻雀を始めた人や「しばらく牌を握ってないが学生時代はハマっていた」という隠れ雀士も多いはず。このブームに乗じて、プロ雀士、いや、いっそのこと五輪雀士を目指してみては?