テリー そういう状況からブレイクのきっかけをつかんだのは何だったの。
神奈月 29歳の時に「ものまねバトル」(現在は「ものまねグランプリ」)のオーディションに受かったことです。「スポーツ系のものまねをやれる人がいないから、どんどんやってよ」とディレクターに言われたので、長嶋茂雄さんや長州力さん、馳浩さんと、全国区の番組でいろいろやらせてもらえたことから、なんとなく世間に知れ渡っていった感じです。
テリー 「ものまねグランプリ」、毎年スケールが大きくなっていくじゃないですか。ネタ作りは大変でしょう。
神奈月 いや、もうメチャクチャ大変ですね。出演の年数が長いほどハードルは上がっていくじゃないですか。去年テリーさんが審査員を務めていただいたトーナメントでは優勝できて、負けなしのチャンピオンでいられたんですが、年が明けるとまた予選からやり直すんですよ。
テリー え、いわゆるシード枠はないんだ?
神奈月 また平社員からスタートです(苦笑)。もっともコロッケさんなんかも一緒の立場ですから、文句も言えませんけれど。
テリー そこまでガチの勝負なんだ。そして、新たな才能もどんどん出てくるし。
神奈月 そうなんですよ、やっぱりみんな、新しいものが好きだから。
テリー 今や神奈月さんはものまね界の横綱なわけでしょう。そういう状況にはどう対処していくの。
神奈月 前は自分の得意なネタに少し新しい要素を入れていく、という感じだったんですが、ここ5年くらいは自分を守らないで新しいもの、他の人がやらないことにチャレンジしていこう、と。似てる、似てないは別として、過去を切り捨てて新しい感じでいかないとダメなんだ、という姿勢で臨んでいます。
テリー さすがの貫禄だ。ところで、ものまねがうまいとモテるでしょう。浮気してる?
神奈月 いやぁ、テリーさん、このご時世ですから、プロの方がいるようなところがいいんじゃないかと思いますけどね(苦笑)。
テリー そういう女性には「今日は武藤で攻めて」とか言われないの。
神奈月 あ、新庄(剛志)さんはありましたね(笑)。
テリー 原監督は?
神奈月 ハハハ、それ、キャバクラでこうやるとウケるんですよ(と原監督の顔マネをしながらテリーの胸をグータッチする)。
テリー あぁ! それ、ズルいよなぁ。笑いを取って、しかもおいしい思いができるんだもの。
神奈月 もっとも、武藤さんのものまねは男心しかつかめないですけどね(笑)。街を歩いていると、男のファンから「武藤!」って呼ばれますから(笑)。
テリー 今や本物の武藤さんより、神奈月さんのほうが露出しているかもね。
神奈月 もう武藤さん本人から「リングに上がってくれよ」なんて言われるようになりましたから。
テリー すごいな、コロッケさんと美川憲一さんみたいな関係にまでなったんだね。
神奈月 それをすることでお互いが得をするならいいんじゃないかって思いますよね。だって、あの長州力さんですらイベントに出たら「どうも、長州小力です」なんてギャグを言うんですから(笑)。ご本人に怒られるんじゃないか、なんてビクビクしていたことを考えると、時代も変わったなって思いますね。