JRA騎手(関東)は現在、昨年の勝利数1、2位だった戸崎圭太、三浦皇成が落馬負傷で休業中。さらに、1月13日には昨年31勝を挙げて新人騎手特別賞を受賞した菅原明良騎手も落馬負傷し、戦列を離れることになった。
そのため、美浦の厩舎関係者は彼らの代わりを務めてくれる騎手を誰にすべきか、苦労しているという。
そうした中、有力騎手の不在を自分の勝ち星を増やす絶好の機会と受け止めている騎手もいる。
「たとえば、今年から拠点を美浦に移したミルコ・デムーロがそうです。実際、中山・金杯で三浦の代役を見事に果たしてみせた。デムーロは昨年、5年ぶりに年間100勝を割ってしまいましたが、これを機に復活を果たす可能性大で、馬券購入の際は騎乗馬に要注意です」(競馬誌編集者)
藤田菜七子も勝ち星を増やす絶好のチャンス。有力馬への騎乗が叶うようになっただけでなく、今年初めから再度、エージェント(騎乗依頼仲介者)をつけたからだ。
「エージェントをつけるのは半年ぶり。それまでは根本(康広)調教師を通して騎乗馬を決定していましたが、トラブルなどを考えると今の時代はエージェントを付けた方がスムーズに事が運ぶ。それで年明けからつけることにしたようです」(スポーツ紙・競馬記者)
新しい専属エージェントは、競馬専門誌「優馬」のトラックマン・久光匡治氏。調教時計を取る傍ら、想定班としても厩舎取材を務めており、日頃から根本厩舎とは懇意な関係にある。ラジオやテレビの競馬番組にも出演しているので、ご存知の方も多いことだろう。
久光氏という顔の広いエージェントを得たことで、今後大いに期待できそうだ。戸崎、三浦のいない間に勝ち星を量産できるようなら、騎手リーディングのベスト10入りも夢じゃない。
(競馬ライター・兜志郎)