1月24日、この3月に開幕する第92回春の選抜高校野球に出場する32校が決定する。果たしてどの高校が選ばれることになるのか。
北海道地区は一般枠が1枠。秋の北海道大会優勝の白樺学園で確定だろう。初戦から13‐8、4‐0、13‐3と、投打とも安定した戦いぶりで勝ち上がり、決勝戦では札幌日大相手に序盤戦で3‐6と劣勢の展開をしいられたものの、5回表に一挙6点を挙げ大逆転。最終的に12‐8で勝利した。同校は夏の選手権では過去3回の出場があるが、春の選抜の出場経験はない。今回、初めて吉報が届くこととなる。
続いて東北地区。例年、一般枠は2枠で、秋の東北大会準決勝では盛岡大付(岩手)が仙台育英(宮城)に2‐9で8回コールド負け。さらに仙台城南(宮城)が鶴岡東(山形)に0‐10の6回コールド負けしていることもあり、ここは順当に優勝校の仙台育英と準優勝校の鶴岡東ですんなり確定だろう。
問題は関東・東京地区だ。例年合わせて6枠あり、それぞれの大会のレベル次第で関東5・東京1か、関東4・東京2かのどちらかとなる。要は、関東で5番手のチームと東京で2番手のチームが比較検討されて決定されるワケだ。その意味で関東地区、優勝校の健大高崎(群馬)、準優勝校の山梨学院、準決勝敗退の東海大相模(神奈川)と桐生第一(群馬)の4校は問題なく選出されよう。
注目の5校目だが、準々決勝敗退組から健大高崎に2‐3の西武台と山梨学院に1‐2の花咲徳栄という埼玉県勢2校が浮上する。前者はVチームに、後者は準Vチームに惜敗しているだけに議論が紛糾しそうだ。だが、この両校は県大会の決勝で直接対決し、花咲徳栄が西武台に8‐3と快勝している点から、花咲徳栄が選ばれるとみる。
一方の東京地区だが、ここは優勝した国士舘で文句ナシ。注目の東京地区2校目は、決勝戦でこの国士舘に敗れ準優勝に終わった帝京が濃厚…と言いたいところだが、帝京は国士舘相手に序盤から失点を重ね、打線もわずか2安打で、結果的に0‐6の完敗を喫してしまった。それなら準決勝で7回まで国士舘に0‐1と善戦した都立城東のほうが明らかに有利。最終的に0‐5と突き放されてしまったが、東京の2校目はこの城東だろう。
最後は花咲徳栄と都立城東との争いとなる。都立の城東が選ばれれば、確かに話題にはなる。が、実力的には花咲徳栄のほうが評価は高い。関東・東京地区の5校目は花咲徳栄が選出されるだろう。
続いては東海地区。一般枠は2校で、優勝校の中京大中京(愛知)と準優勝校の県岐阜商で確定だろう。問題は「明治神宮枠」だ。昨年秋の明治神宮大会で東海地区代表の中京大中京が優勝したため、一般選考枠が1枠増えることとなった。その枠を巡って競う候補はベスト4敗退組の藤枝明誠と加藤学園という静岡県勢2チーム。ただ、藤枝明誠が中京大中京に5‐12で8回コールド負けを喫しているのに対し、加藤学園は県岐阜商に相手に延長10回、3‐4での無念のサヨナラ負けだった。普通に考えれば準Vチームに惜敗した加藤学園だろう。しかも加藤学園なら春夏通じて甲子園“初出場”という快挙となる。とはいえ、この両校は県大会決勝で激突し、その時は藤枝明誠が5‐4のサヨナラ勝ちを収めており、直接対決を制した藤枝明誠にやや分があるか。逆に話題性なら加藤学園なので、逆転してもおかしくはない。
東日本最後は北信越地区。出場枠は2枠で順当に考えれば、地区大会優勝校の星稜(石川)は確実だ。秋の県予選から圧勝続きで、最後も同県対決となった日本航空石川を19‐1で一蹴。選出に異議のあろうはずもない。
続く2校目は地区大会準Vチームの日本航空石川となるのだが、いかんせん決勝戦での大敗が気に掛かる。しかも同校は県大会決勝戦でも星稜の前にまったく歯が立たず、2‐16とこれも大敗を喫しているのだ。2試合とも決勝戦のため、コールドゲームにはならなかったが、それでも2試合続けてこれだけ一方的な敗戦だと、とにかく印象が悪すぎる。ならば他校で逆転選出されるチームがあるのか…というと、1回戦敗退ながら地区大会で唯一、星稜相手に3‐5という接戦を演じた高岡第一(富山)か。ただ、同校は富山県3位校という点がマイナス要因。星稜と善戦+地域性を考えれば浮上の目はあるが、可能性はかなり低い。やはり2校目は日本航空石川で石川県勢のアベック出場となるとみる。
(高校野球評論家・上杉純也)