以前、春の選抜で「最も優勝している都道府県は愛知県」という記事を書いたことがある。そこで一つ気になったのが、では“最も準優勝している都道府県は?”。調べてみたら、前回の16年大会終了時点で東京都と大阪府がともに9回で1位タイに並んでいた。
まず、東京都。場合によっては2校が選出される年が多々あり、それだけV確率も準V確率も高くなるのだが、優勝回数は5位タイの5回止まりなのに対して準優勝回数は9回と、まさに“シルバーコレクター”だ。内訳を見ると日大三が3回と帝京が2回。以下、早稲田実、堀越、二松学舎大付、関東一が各1回ずつある。
大阪府は14年に履正社が準優勝したことで東京に並んで1位タイとなった。その9回のうち、大体大浪商がチームとしては史上2位タイの準優勝3回。以下、北陽(現・関大北陽)、大鉄(現・阪南大高)PL学園、上宮、関大一、履正社が各1回となっている。
だが、大阪が東京と違うのは、優勝回数も愛知県に次ぐ史上2位の9回を誇っているということ。こちらもいつトップタイに並んでもおかしくないのである。
準優勝回数8回で3位の愛知県は何といっても中京大中京だろう。優勝回数が史上最多の4回なら、こちらの準優勝回数も史上最多の4回を誇っている。中京大中京の宿命のライバルである東邦も準優勝2回。あとは一宮中(現・一宮)と愛工大名電が各1回ずつ。愛知県の準優勝回数の4分の3がこのライバル2強で占められているというワケだ。
準優勝回数6回で4位につけたのは広島県。そのうちチームとしては大体大浪商と並ぶ史上2位タイの準優勝回数3回をマークしているのが広陵だ。広陵は優勝回数もチームとしては史上2位タイの3回を記録している。あとの3回は広島商1回に尾道商が2回。この尾道商が実に惜しかった。ともに2対3と悔しい逆転負けを喫していて、もしこれが2連勝という結果だったら、広島の優勝回数は7回で単独3位に躍り出ていたことになる。
準優勝回数5回で5位となったのが高知県。高知商が準優勝2回。土佐と高知が66年から67年と2大会連続準Vだった。77年の第49回大会に初出場し、部員わずか12人で準優勝に輝いた中村の健闘も光っている。
以下、準優勝回数4回で並ぶのが、兵庫県、和歌山県、神奈川県、岐阜県の4県。この上位9県のうち準優勝回数を伸ばせる可能性があるのは大阪府と兵庫県だけ。もちろん、狙うは準優勝ではなく優勝なのだが。
(高校野球評論家・上杉純也)