北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が1月22日に12球団の監督会議に出席した後、記者団に囲まれ、2020年の巻き返しを改めて口にした。他の関係者の話も総合すると、チーム再建のキーマンは、ヘッド兼打撃コーチの小笠原道大コーチのようだ。
「栗山監督は一軍キャンプに振り分けた選手に対し、『体ができていなければ、即刻二軍』という厳しさを話していきました」(スポーツ紙記者)
だが、キャンプの練習メニューそのものは変えていない。ここに、表裏一体の日本ハムというチームの特徴が隠されている。そもそも、日本ハムは全体練習、ノルマを課すような必須練習の時間時間が短いのだ。
「自分で何をやるのか決めてやる練習時間が長いんです。要するに“オトナのチーム”です」(チーム関係者)
昨季の5位低迷を考えると、若い選手たちは知らず知らずのうちに、自分に「甘え」の気持ちが出ていたのかもしれない。「自分で考えて」のスタイルは変えないというが、そこで責任重要となってくるのが、小笠原コーチだ。
「チームOBでもある小笠原コーチは、その時間で考えてやる練習時間を有意義に使い、一流に上り詰めた人です。昨秋キャンプからチームに合流しましたが、ティー、マシンなど各打撃練習中の選手のところに自ら歩み寄り、アドバイスを与えていました。要するに、『個人練習中も見ているゾ』と選手たちに認識させることで、緊張感を与えよう、ということです」(前出・チーム関係者)
栗山監督はメジャーリーグの関係者とオフの間に会談をしたらしく、「125年の歴史があるが、急激にメジャー基礎野球が変わったのは、ここ3年」と話していた。オープナー、三塁手をライト前方に守らせる特定選手への守備シフトなども指していたが、栗山監督は今後も柔軟に、メジャー発祥のこれらの作戦を取り入れていくようだ。自由練習に重点を置いたキャンプもメジャー流と言える。今後もメジャースタイルを続けていけるかどうか、それは“お目付役・小笠原コーチ”に掛かっているようだ。(スポーツライター・飯山満)