不安を抱えながらも「打者」としてのみ試合に出続けていた、大谷翔平の爆弾がついに爆発した。右足に続いて左足までも負傷し、戦線離脱。十分に想定できた最悪事態だけに、責任論が巻き起こるのも当然である。
戦慄が走った。4月8日、日本ハムの大谷翔平(22)が、走塁中に左足に違和感を覚えて途中交代。試合後に病院でMRI検査を行った結果、「左大腿二頭筋の肉離れ」の重傷を負っていたことが判明したのだ。実戦復帰までには最短でも6週間はかかる見通しで、大谷本人はもちろんのこと、チーム関係者も落胆の色を隠せないでいる。
現場で最もショックを受けているのは、やはり栗山英樹監督(55)だった。大谷負傷について「全て俺の責任」と言い切り、それ以外のことはあまり多くを語ろうとしていない。
実は、チーム周辺から「大谷の負傷は人災」との指摘が飛び交っており、徐々にみずからが窮地に立たされ始めていることと無関係ではなさそうだ。
そもそも大谷は昨年10月の日本シリーズ中に右足首を負傷している。
「一度は回復傾向にあったとはいえ、自主トレ期間中に再び患部を痛めて、その影響で3月のWBC参加を辞退しています。この時点で、完治させなければ故障の再発があることは思い知らされていたはずですけどね」(スポーツ紙デスク)
ところが大谷は、侍ジャパンへの合流を見送りながらも、右足首痛が完治しないまま日本ハムの一軍キャンプで調整を続けた。そしてオープン戦、開幕後も、二刀流こそ封印したが、打者としてのみ強行出場を続けて大暴れしていた。
その裏で栗山監督は、大谷にこんな指示を出していたのだ。
「出塁しても全力疾走だけはするな」
この指揮官の方針に疑問符を投げかける声はチーム内、フロント内から多く出ていた。
「出場させておいて、全力疾走禁止令なんてナンセンスですよ。打席に立って打ったら、まず思い切って走りだすことは、言うまでもなく野球選手にとって求められる絶対条件。打撃に大きな期待を寄せて、試合に送り出しておきながら、集中力を持って一打を放った瞬間に力をセーブして走り出せなんてムチャクチャな要求ですよ。しかも翔平はクソマジメだから、グラウンドでは常に結果を出さなければいけないという考えを持っている。要は大ケガを誘発する可能性は最初から高かった。栗山監督の大きな判断ミスと評していいでしょう」(球団関係者)
実際にチーム内はもちろん、他球団のスタッフからは事あるごとに、
「大谷は右足首をかばった動きをしているから、絶対に負担のかかる左足のどこかをおかしくするぞ」
という声も聞かれていたのだ。
とはいえ、皮肉にも開幕してからの日本ハムの打線はパッとしない。そんな中、一刀流・大谷の打棒だけは絶好調だった。球界関係者が言う。
「栗山監督は周囲に、『通常の翔平は打球を引っ張って打ち損じるケースが多いけど、今は踏み込みに必要な右足首に力が入りにくくなることで流し打ちが必然的に増えて、本塁打と安打の数がグンと増えそうだよ。これも“ケガの功名”ってヤツかもしれない』と笑い飛ばしていました」
まるで自分の英断によって打者・大谷が覚醒しているとでも言わんばかりのようだった。