NHKドラマ「麒麟がくる」で急遽、帰蝶役に抜擢された川口春奈。時代劇初挑戦ながら大役を務め上げようと懸命に演じる姿に、大物オジサン俳優陣もゾッコン、密着レッスンがスタートしたという。撮影現場の「開かずの門」の内部に迫った──。
沢尻ショックで異例の放送延期スタートを切ってから約1カ月。長谷川博己(42)が明智光秀役を演じるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」が好視聴率をキープしている。
2月9日に放送された第4回の平均視聴率は13.5%で前話より2.6%下がったが、同日午後6時から放送のBSプレミアムは4.0%を記録。ドラマ開始から最高を記録した。
近現代を舞台にした過去2作の「西郷どん」と「いだてん」が低空飛行を続け、戦国時代を舞台にした今作で、NHKは大河ドラマの人気回復を図った。が、昨年11月に起きた沢尻エリカ(33)の薬物スキャンダルで波乱の幕開けを迎える。
「6月から始まった撮影は、すでに10回分まで撮影を終えていた。『沢尻逮捕』の一報を聞いた時の長谷川さんは、頭の中が真っ白になったそうですが、それでも座長として共演者やスタッフに『いろいろあるけど、1年間をワンチームで乗り越えよう』とゲキを飛ばしていた」(芸能プロ関係者)
年末年始も強行軍のハードスケジュールで再撮影を進めていたが、織田信秀役の高橋克典(55)が過労で体調不良になってしまうことも。それほど過酷な撮影現場だったのだ。
さながら、野戦病院といった状況に、朗報だったのは、沢尻の代役として織田信長に嫁ぐ帰蝶(のちの濃姫)役に抜擢された川口春奈(25)の存在だった。
「大河どころか時代劇が初挑戦。そのうえ、出演決定から12月3日のクランクインまで2週間しか時間がなかったのに、セリフ覚えがいいだけではなく、相当台本を読み込んでいて共演者を驚かせていました。4人いる演出陣のオーダーにも柔軟に対応しています」(NHK関係者)
座長の長谷川も周囲の予想を超えた川口の演技について、1月16日に行われた初回放送試写会で、
「すごくストレートなお芝居をする方ですが、たまに意表をついたことをされる」
と、太鼓判を押している。
「長谷川さんは代役で飛び込んできた川口さんを心配していて、撮影が遅くなった日には缶ビールを差し入れし、スタジオの隣で残っていたスタッフと一緒に労をねぎらっていました」(NHK関係者)
撮影チームに受け入れられた川口だが、「前任者」と比べられることに神経をとがらせているようだ。年末には自身のインスタグラムで、
〈職業柄、日々いろんな声が聞こえてきますが、全く私には刺さりません〉
と、代役に寄せられる賛否両論の意見を一蹴している。
「現場でもちょっと話題になりましたが、気が強いキャラクターの帰蝶に向いているなって(笑)。川口さんもスタッフに、『私の帰蝶をやりたい』と宣言したそうです」(NHK関係者)
すでに帰蝶としての自覚は十分のようなのだ。