お笑いタレントの出川哲朗が2月28日放送の「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)に出演し、かつてロケ中にディレクターから提示された「衝撃のカンペ」を振り返っている。
有吉弘行が大ブレイクを果たすキッカケとなったことでも知られる1990年代の人気番組「電波少年」(日本テレビ系)に同じく出演していた出川は、“リアルガチな過激さ“をウリにしていた同番組について、「本当に頭のおかしい人たちが作ってる。本当に酷い番組」と表現し、「すごい簡単に言うと、バラエティーで戦争中の国に行かされるんですよ」と現在では考えられないロケ地に送り出されたことを回想。
その中でも“最も衝撃的な出来事“として出川が挙げたのは、戦争真っただ中のロケ先に同行したディレクターから告げられた無茶振りだったと言い、「忘れもしない。『撃たれて!』ってカンペ出されて。(芸人として)おいしいから」と異様な演出を求められた過去を打ち明けた。
また、そうした“なんでもあり“な番組へ出演し続けてしまったことで、新宿や渋谷などの繁華街では頻繁にチーマーから「出川狩り」の被害に遭ったと告白。50人ほどのチーマーに追いかけられることが“日常だった“と振り返り、自宅にも連日連夜冷やかしの訪問が引っ切りなしの状態だったという。
「コンプライアンスが徹底されている現在であれば、出演した芸人にケガをさせてしまうだけでもテレビ局が大きな非難にさらされてしまいますから、実際には、本当に実弾をカラダで受けるような意味で言われたのではないのかもしれませんが、“撃たれて“なんて要求は考えられません。他にも出川はあらゆる番組で危険なロケに挑み、サメやヒグマとキスをする企画など、猛獣とは“ひと通り絡んでます“と豪語したこともあります。本人はそうしたトンデモ要求に腹を立てることもあるとしながらも、スタジオがウケてくれるならと引き受けてしまう性だと認め、そんな出川のプロ意識に対して視聴者からは、『だから今がある。努力の人だよね。素晴らしい』『実直な人柄が認められたのだろう。ブレずに長くやった甲斐があったね』との労いの声をはじめ、『つくづく思うけど、本当に今のテレビは面白くない』といった反応も出ています。バラエティー黄金期を“体当たり芸“で支えた出川の貢献は非常に大きなものだったと言えるでしょう」(テレビ誌ライター)
猛獣を飼い慣らし、“撃たれる”ことすら求められてきた“リアルガチ“な出川からすれば、現在のバラエティー番組はあまりにもぬるく感じてしまっているのかも。
(木村慎吾)