同書では、「うまい棒チーズ味」(リスカ)と「じゃがりこサラダ」(カルビー)も対決している。
この勝負は「じゃがりこ」に軍配が上がった。
「うまい棒」の最大の敗因は、表示にある甘味料(スクラロース)にあった。
「スクラロースは砂糖の600倍の甘さがあり、今までの人工甘味料と比べ、味が砂糖に近いのです。そのため、近年の食品加工業界では大ヒットしている添加物です。ただ、もともと自然界には存在しない物質であるということを忘れてはいけません」(前出・遠嶋氏)
人間が作り出した有機塩素化合物なのだ。他にも、アセスルファムK(カリウム)が代表的な自然界にはない甘味料だ。かつて、人工甘味料ではサッカリン酸Na(ナトリウム)の発ガン性が疑われ、大きな話題となった。この2つの甘味料の問題点はどこにあるのか。
「スクラロースやアセスルファムKは体内で分解できません。つまり、人間の体にとっては異物となります。そのため、それらを分解しようとする肝臓や腎臓に負担がかかるとも、免疫力の低下を招くとも言われています」(前出・遠嶋氏)
海外の動物実験では、スクラロースを妊娠したウサギに強制的に食べさせた結果、流産や死亡したケースもあるという。さらに、脳にも影響を及ぼす動物実験例もあるという。
一方で、こうした甘味料は体内で分解できないため、「カロリーオフ」や「ノンシュガー」となり、健康志向の人々が好む商品に添加されていることが多い。同書で朝食代わりに、栄養補給に食べられているゼリー飲料も比較しているのだが、それが好例である。「ウイダーinゼリーエネルギーイン」(森永製菓)と「クラッシュタイプの蒟蒻(こんにゃく)畑ライトマスカット味」(マンナンライフ)の勝負は、スクラロースを使用している「蒟蒻畑」が敗北した。
さらに、同書の豆乳対決はおもしろい結果となった。「おいしい無調整豆乳」(キッコーマン飲料)と「進化型 調整豆乳」(同)を比較している。当然、「進化型」のほうが体にいいと思えるが、実際はアセスルファムKを使用している「進化型」が〈ダメ〉となっている。表の商品名だけではなく、成分表示のチェックは不可欠なのだ。