コロナウイルスはライブやコンサート、プロスポーツなど全てのエンタメ界に猛威を振るった。テレビ業界はこれまでその被害を最小限にとどめてきたが、志村けんの他界を機に「オーバーシュート」が起ころうとしている。
「番組の観覧に一般のファンを入れないようにしたり、スタジオ収録時に全員がアルコール消毒して臨むなど、できるかぎりの対応をしてきたつもりでしたが、はっきり言って認識が甘すぎました。私たちは志村さんが亡くなるまで、それに気づけなかった‥‥」
キー局の番組プロデューサーはそう言って肩を落とす。いわく、テレビ業界にはこれから、未曽有の混乱と没落が待ち構えているというのだ──。
この「志村パニック」について、順を追って確認していこう。まずは、志村本人が亡くなったことで生じた影響の大きさである。レギュラー番組2本のうち、「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ系)は、生前から志村が常々「俺の後継者はあいつだ」と指名していた嵐の相葉雅紀をMCに、タイトルもそのままで番組を継続することが決定している。
「もう1本の『志村でナイト』(フジ系)は4月1日に最終回が放送されました。ただ、同じ枠で志村さんを起用した別番組がスタートする予定だったので、不測の事態に対応が遅れているようです。一部撮影済みだったNHK朝の連続テレビ小説『エール』は収録部分をそのまま放送し、代役を含め検討中。最もワリを食ったのは、初の主演映画『キネマの神様』(松竹)でしょう。山田洋次監督にとって同作は、志村ありきの企画でした。コロナ騒動でクランクインもメドが立たず、そのままお蔵入りになる可能性も否定できません」(芸能関係者)
続いて業界全体に重くのしかかっているのが、生前の志村との「濃厚接触疑惑」である。特につきあいが深く、2月末に開催された志村の誕生日パーティーに出席していた芸能人は戦々恐々としているという。
「はるな愛(47)は、自身のコロナ感染などを疑って、経営する飲食店にも顔を見せていません。マツコ・デラックス(47)も、尊敬する志村の死去のショックに加え『私もひょっとして‥‥』と憔悴しきっており、いくつかの番組収録や出演をキャンセルしている状況です」(スポーツ紙芸能デスク)
感染後の収録で接触したと思われるタレントにも「厳戒態勢」が敷かれている。
「死去の報で生放送中に泣き崩れたハリセンボンの近藤春菜(37)は、『志村どうぶつ園』のレギュラー。彼女は『熱が出ていなくても、少しでも体調がすぐれないと思ったら出演をやめてくれ』と番組スタッフから厳命されていると聞きます。志村がゲスト出演した『あいつ今何してる?』(テレビ朝日系)で、同じくゲスト出演していたのが黒木瞳(59)やホラン千秋(31)。番組構成上、それぞれ個別収録で共演はしていないのですが、セットで同じイスに座っていたので感染が心配されています。特にホランは帯のニュース番組『Nスタ』のメインキャスター。万が一感染していたとしたら、その影響は甚大ですから」(芸能デスク)
4月3日時点で、まだ志村との「濃厚接触者」と認定されたタレントは確認されていないが‥‥。