ついに生放送の現場にまで「拡大」した─。テレビ朝日では4月12日、同局の報道番組「報道ステーション」のメインMCを務める富川悠太アナウンサーが新型コロナウイルスに感染したことを発表。10日に本人が都内の病院に入院し、翌11日のPCR検査で陽性と診断されたという。
富川アナは現在入院中で、共演する徳永有美は濃厚接触の疑いがあることから13日以降の出演を見合わせ。同様に濃厚接触の恐れがある一部のスタッフは自宅待機となった。テレ朝では別の報道番組で、アナウンサーが「テレビ朝日では、富川悠太アナウンサーと接触したスタッフの自宅待機や消毒などを行うとともに保健所などと連携しながら、引き続き感染の拡大防止と出演者やスタッフの安全確認に努めるとしています」と、今後の対応を説明していた。
そんな姿勢に対して、世間から、猛批判が寄せられているというのである。
「ひとつには富川アナ本人に対する批判です。テレビ朝日の発表によると4月3日や4日には38度台の発熱があり、その後は平熱に戻ったものの、7日には本番中に痰が絡むことがあったとか。少なくとも、この時点で本人が新型コロナ感染のおそれがあることを現場の責任者に報告するべきですし、そんな体調で生放送に出演していたのは《他人に感染させない》という基本を逸脱した危険な行為と言われても仕方ありません。しかも、富川アナは政府の新型コロナ対応をかなり厳しく批判していたんですから言動に矛盾のようなものを感じてしまう視聴者も多いんじゃないでしょうか」(週刊誌記者)
そして、テレ朝に対しても批判が渦巻いているという。前出の週刊誌記者が続ける。
「テレ朝は今すぐ『報道ステーション』の番組制作を中断し、番組を休止するのがスジだという意見もあります。感染が発覚した事業所では、感染者がいたフロアを閉鎖し、感染者に接触したおそれのあるスタッフは全員を自宅待機とさせる措置がとられるべきなのに、テレ朝では局内でコロナ感染が発生したといえる状況なのに、一部スタッフの自宅待機に留め、『報ステ』の放送を続けるようですから、非常事態宣言が発令された状況では、企業としては異常な対応だというわけです。確かに、放送を続けるなら、少なくとも自宅待機していない番組スタッフが、富川アナと直接的にも間接的にも接触していないことをしっかり説明すべきでしょう」
富川アナは、自身の強い責任感から感染の可能性を告げられずにいたため、今回の事態を招いてしまったのかもしれない。そんな状況の中だからこそ、テレ朝も報道機関としての「責任」として報ステを続行するなら、誰もが納得するような対策をとったことを示していかなければ、視聴者の信頼を一気に失ってしまうのではないか。
(金田麻有)