真夏の広島で発生した同級生少女同士による殺人事件。「LINE」での口論をキッカケに、成人男性を含む7名の男女がかわるがわる暴行を加えた壮絶なリンチ事件の様相を呈している。その背後には、インターネットを利用した「闇デリヘル」を巡るトラブルがあったというのだ。
取材に当たっている社会部記者も首をかしげる。
「これまでのところ、出てくる捜査情報も断片的なものばかりで直接的な動機に結び付きにくい。捜査員も、犯行グループのインターネット上での活動については把握しきれていないのが現状。動機についてもはっきりとした部分までつかめていません」
7月12日、広島東署に「友達を殺して、灰ヶ峰に捨てた」と母親に連れられて自首した無職少女、広瀬かなえ(16)=仮名=は、高等専修学校に通う元同級生の田中恭子さん(16)=仮名=を殺害。山中に遺棄したと供述した。翌日、広島県警は呉市の灰ヶ峰から若い女性の遺体を発見。14日に死体遺棄容疑でかなえを逮捕した。
地元記者が明かす。
「当初、かなえは取り調べに対し、『1人でやった』と説明していましたが、車の手配や殺害前の行動に多くの矛盾点があること、押収したスマートフォンに、『LINE』(特定の相手とメッセージのやり取りができる通信アプリ)の登録相手から『私たちも捕まるね』といった内容の返信が送られていたことが判明し、警察は他にも犯行に加わった人間がいると踏んで、捜査を続けていました」
そのやさき、17日にかなえの交際相手である少年A、そしてかなえの友人である少年B、さらにはBの交際相手だった少女Cの3人が出頭。
事件当日に、被害者の恭子さんをかなえが呼び出したあと、集団で殴る蹴るの“制裁”を加え、首を絞めたあげく骨をへし折り、遺体を山中に投げ捨てていたことがわかった。
「ある友人の『生きているのでは?』のメッセージに対しかなえは、『ないない。みにいった』と犯行の約10日後に遺体を確認しに行ったことを明かしています」(前出・地元記者)
この残虐な犯行で浮かび上がってきたのが、リンチグループメンバーたちの堕落した生活ぶりだった。3人を知る地元住民が言う。
「かなえ、少年B、少女Cの3人は、マンションで同居生活を送っていました。毎日、3人一緒に夜の12時ぐらいに帰ってきて、深夜3時ぐらいまで騒いでいましたよ」
主犯のかなえは、母親と妹の3人暮らし。
「昼間からウロチョロして、夕方になると実家から市街地に続く大通りへ出る道を歩いて行っとった。(かなえを)最後に見たのは7月の頭ぐらい。いつもと変わらない様子で忙しく電話をしながら歩いとった」(近隣住民)
同級生の恭子さんを殺害したあとも平然と、日常生活を送っていたかなえ。リンチに加担した少年少女たちも鳥取で潜伏生活を送っていたという。
◆アサヒ芸能8/1号より