世のオヤジ族をトリコにしている朝の連続テレビ小説「あまちゃん」。どこか懐かしいほんわかしたストーリーながら、随所に織り込まれているのが、感涙エピソードだ。思い返せば「初めてのウニ漁」から、地元総出で見送りをする「上京物語」など、ハンカチなしには見られない名場面が次々と出るわ出るわ──。全国の「あまラー」たちが選んだ「泣けるベスト10」を一挙紹介しよう。
「基本的に朝ドラは主婦目線のドラマですが、『あまちゃん』は明らかにシニア層男性が楽しんで見ているので、視聴率が跳ね上がった。その一番の要因は主演・能年玲奈(20)のピュアなキャラクターです。黒目が大きくキラキラとした瞳は、まるで小動物を見ているよう。共演する正統派美少女の橋本愛(17)とは正反対の魅力を感じます」
と語るのは、「朝は生で、夜は録画したものを見ている」と、“あまちゃん生活”にどっぷり浸っている作家の亀和田武氏だ。
視聴率は連日20%の大台を記録。もはや、日本中の話題が「あまちゃん」一色になっている今日この頃、どこか懐かしい設定や、けなげな少女と田舎の人々の心温まるやり取りもさることながら、ストーリーの要所で泣かせるシーンが多いのも「あまちゃん中毒」急増に拍車をかけていると言えよう。
そこで、本誌は「あまちゃん」ナシでは生きていられない全国1000人の「あまラー」のナマ声を集計。「泣ける名場面」ランキングベスト10を発表しよう。
まず、問答無用の第1位に輝いたのは、故郷編のラストを飾る第72話「おら、東京さ行くだ!」の感動的な旅立ちのシーンだ。1人で上京することになった能年玲奈演じるアキを駅まで見送りに来なかった祖母・夏(宮本信子=68=)が、磯辺で「アキ~、つらくなったら帰ってこいよ~」と大声で叫び、大漁旗を振りながら送り出す場面だ。これには、多くのあまラーが大号泣したようだ。
「ワカメ漁に行くフリをしながら磯で見送る夏さんがニクい。アキちゃんが気づかなかったらどうしよう、とハラハラした。しかも、春子(小泉今日子=47=)が家出した時にも同じように夏が旗を振っていたのに、それを春子が知るのが20年後というのが何ともやるせない」(54歳・自営業)
前出・亀和田氏もこの場面を絶賛する。
「この場面はやっぱりジーンと来ましたね。最初から仲のいい家族じゃなく、反発や憎しみがあったあとに、一気に和解に至るところがいいんです」
続いて2位になったのは、第24話「おら、ウニが獲りてぇ」で、アキが海女として初めてウニを獲ることに成功した回だった。アンケートからもあまラーたちの目頭が熱くなっているのが伝わってくる。
「ネット動画で『なまりすぎる海女』として人気者になったアキは、自分の手でウニを獲ることができず、影武者の安部ちゃん(片桐はいり=50=)に頼りっぱなし。でもシーズン最後の本気獲りで初めてウニを1つだけ獲るところで泣きました」(58歳・公務員)
ようやく一人前の海女となったアキの満面の笑みが印象的な場面だ。
◆アサヒ芸能7/30発売(8/8号)より