5月31日、ファン待望の「日本ダービー」が東京競馬場で行われる。今回はアサ芸連載陣の水戸正晴氏、細江純子氏、片山良三氏の3名が出走馬を徹底分析。S(50P)、A(30P)、B(20P)、C(10P)の評価をもとにランキングした。アサ芸オリジナル「激走指数トップ10」に輝いたのは、この馬たちだ!
1位(150P):コントレイル
片山◎ ホープフルSで見せていた右にモタれる面も皐月賞で払拭。距離の融通性も証明して早くも無敗の三冠が視野に入った。ディープの後継種牡馬候補の大本命としての期待も含めて、ここも衝撃的な勝ちっぷりを想像中(S)。
細江○ 能力の高さが桁違い。あの切れ味を見ると本質的にはマイルなのかなとも思えますが、現時点では距離の適性が問われる時期でもないですからね。皐月賞では折り合い面もスムーズになっており、日本ダービーに向けて楽しみが広がる内容でした(S)。
水戸▲ 土つかずで皐月賞を制覇。柔軟な身のこなし、血統(祖母は米GI2勝)から掛値なしの実力馬である。この中間も順風満帆でケチのつけようがない。とはいえ、2歳時から体重がそう増えてこないのが気になるところ。輸送もあり、最終追い切りの動きを見極めたい(S)。
2位(130P):サリオス
細江◎ 皐月賞ではコントレイルに完敗しましたが、4カ月ぶりのレースで中山芝2000メートルという条件の下、大型馬なのに器用な立ち回りができていた点がすばらしい。デビュー時はユルユルの体つきで、一戦ごとのノビシロが他馬に比べても大きいと思えます。スタートが上手で折り合いもつき、馬群もOK。チャンス大と感じます(S)。
片山○ 完璧な競馬をしながら敗れた皐月賞。コントレイルとの勝負付けは済んだ印象だが、3着以下との勝負付けも済んでいるとも言えるはず。両雄並び立たずは馬券の金言だが、間違いのない競馬をするレーン騎手なら、2着確保は最低限の仕事だろう(A)。
水戸★ 間隔をあけて使ってきたのは好感が持てる。皐月賞の惜敗は、馬場が悪く通ったコースの差か。まだひ弱な面を残すが、大型馬でもあり、広い府中のほうが走りやすい。スムーズなら、やはり怖い(S)。
3位(70P):サトノフラッグ
細江△ 皐月賞では一瞬で勝ち馬に抜かれてしまう内容で、能力差が出てしまったところはありますが、500キロ近くある大型馬なので広い東京コースのほうがよさそうなイメージ。重馬場でも勝利していますが、本質的には良馬場のほうがよさそうな気もしますし、良馬場なら稍重だった皐月賞より高いパフォーマンスが期待できるかも(A)。
片山★ マーフィー騎手が「来年のダービー馬」と興奮したほどの素質馬。弥生賞の勝ちっぷりと、皐月賞の完敗を冷静に分析すると、馬場悪化があった時の浮上と読むべきだろうが、秘めたポテンシャルを軽視すべきではないのかも(B)。
水戸△ 皐月賞は5着と人気を裏切ったが、連勝時の勝ちっぷりを思うと、軽く見るわけにはどうしてもいかない。依然として好調で、稽古での動きのよさも目立つ。しまいがしっかりしており、相性のいい府中であらためて(B)。
4位(60P):ワーケア
細江▲ 状態的にまだまだ良化途上の中での弥生賞が2着。その点に能力の高さを感じるとともに、2着になれたのは、スタート後から何一つムダのない、流れるようなみごとな手綱さばきで誘導したルメール騎手の手腕もあってこそ。騎手とのコンビ力は、ここ一番で重要な要素。侮れない気がします(A)。
片山▲ 弥生賞で負けた時のルメール騎手のコメントの前向きさが印象的。その勝ち馬を選択する権利もあったのに即答でこちらに乗ることを決めた。「ハーツクライの子は3歳になってからグイグイ伸びる」と彼。3着候補の筆頭(B)。
水戸△ 前走の弥生賞より距離が400メートル延びるが、母系もよく、血統的には問題はない。状態も上がってきており、ルメール騎手が手綱を取るのも魅力。ただ、体型的にどうか、という点が気になるところ。連下まで(C)。
5位(30P):マンオブスピリット
水戸◎ 登録の段階で出走枠に入れたのは天啓。既成勢力ではおもしろくないとみていただけに、大いに期待したい。前走の京都新聞杯は休み明けで余裕残しの状態。それでも最速の上がり脚で僅差2着。その強烈な末脚は、いかにも府中向きだ。ひ弱さが影を潜め、皐月賞組に伍してもやれていい。あか抜けた馬体も魅力だ(A)。
5位(30P):ダーリントンホール
水戸○ 皐月賞は流れに乗り切れず、勝負どころでも外へ。馬場も悪く、全てにおいてかみ合わなかった。大型馬で速い脚を長く使うタイプだけに、府中は合う。皐月賞は前走比マイナス10キロでの出走だったが、体重もふっくらと戻り、良馬場ならあらためて注目(A)。
5位(30P):コルテジア
細江△ 皐月賞ワンツー馬の能力が抜けていると思われる中、穴を狙うならば先行馬。これまでのレースぶりから前々でレースを運ぶ可能性大。しかも、皐月賞においては外差し馬場の中、内から馬群を縫って伸びており、「根性もありお君」です(B)。
片山△ 軽快な逃げ馬からガラッとイメージチェンジをしながら力をつけてきた。人気はないが、脚はそれよりずっと上。レースが見えている松山騎手ともども、警戒は必要(C)。
8位(20P):アルジャンナ
水戸△ 派手さはないが、堅実で勝負強い面がある。決め手にやや甘さはあるけど、レースセンスは確か。府中向きとは言えないが、軽視は禁物(B)。
8位(20P):ヴァルコス
片山△ 今年は2強のレベルが高すぎるが、例年なら逆転の可能性も考えたくなるほどの臨戦過程。2400メートルの適性は証明済み。時計が速くなっても掲示板は確保しそうだ(C)。水戸△(C)。
8位(20P):ガロアクリーク
片山△ レース巧者。そういう意味でも中山向きだが、混戦の3着争いになった時に馬群を縫ってヒョイと顔を出すのは、こういうタイプだったりする(C)。水戸△(C)。
はたして、ディープインパクト以来となる無敗の二冠馬が誕生するのか、それとも大波乱か。アサ芸オリジナル「激走指数」で大的中といきたい。