テリー AKB48に入ったのはいくつの時だっけ?
秋元 17歳の時、2期生でした。最初の頃は本当に秋葉原の劇場に、お客さんが半分も入らなかったんですよ。野呂佳代ちゃんなんかステージに出た瞬間に「おい、力士!」とかヤジられて、「ヤジ・罵声禁止」なんて紙が貼られるような時代でした(笑)。
テリー ハハハ、意外に苦労の時代が長かったから。
秋元 はい。当時は「アキバ48でしょう?」「あ、秋元(康)さんのところのね」みたいな言い方もされたり、あまり好意的ではない扱いをされたこともありましたし。
テリー 秋葉原の劇場にお客さんが半分しか入らない時代から、武道館や東京ドームを満杯にしていく過程をずっと見ていたわけだよね。それは秋元さんにどう見えていたの。というのは俺、秋元さんって本当に普通の女の子の感覚を持っている子だと思っているからなんだけど。
秋元 えっ、そう言ってもらえるの、すごくうれしいです。でも、私はグループのど真ん中にいたわけでもないんですよ。自分で言うのも何なんですが、絶妙な位置にいて。選抜メンバーだったんですが、端っこだったし、紅白歌合戦に出させていただいた時も「自分が頑張ったから出られた」という感覚はなかったです。もちろん、こんなチャンスはないから「メチャメチャ目立ちたい!」「爪痕残したい!」とは思っていましたけれど。
テリー なるほど、そんな感じだったんだね。
秋元 でも、たぶん私を含めて初期メンバーの中には、アイドルになりたくてAKB48に入った子って、ほぼいないと思うんです。秋元さんも「AKB48を登竜門にして、自分の夢をかなえろ」とおっしゃっていましたけど、その方法を学ぶための場所だったと思うんです。
テリー 予備校みたいなものだ。
秋元 集まったみんなは、それぞれなりたいものは別だけど、AKB48でいろんなことを体験して、そこから旅立っていこうという意識が強かったと思います。
テリー 卒業は、どういう気持ちで決断したの。
秋元 自分の中で「25歳までに卒業する」って決めていたんです。制服を着るのもつらいし、自分の発言を制限するのも嫌だし‥‥25歳で「恋愛していません」って、絶対、ウソだと思うじゃないですか。
テリー 思うよね。
秋元 それが自分の中で許せなくて、23歳ぐらいから相談していたんです。
テリー 秋元康さんに?
秋元 最初は失礼だと思ってスタッフさんに言っていましたけど、全然つないでくれなかったから、25歳になって「話がしたいです」と連絡を差し上げてから、秋元康事務所に行って直談判しました。
テリー すごいなァ、秋元さんもビックリしていたでしょう。
秋元 でしょうね。しかも私も若くて言葉の使い方がきちんとできていなかったみたいで、「お前の気持ちはわかった。ただ、お前の言葉は時としてナイフのように鋭いから、それだけは気をつけなさい」と言われてしまいました(笑)。
テリー アハハハハ!
秋元 自分の気持ちを伝えるのにいっぱいいっぱいで、どうやらストレートに言いすぎたみたいです‥‥。
テリー それは秋元さん、よっぽど傷ついたんだろうなァ(笑)。
秋元 そうかもしれないですね。あとでものすごく反省しました。