2014年ソチ冬季五輪に男子フィギュアスケートの日本代表として出場し5位入賞。その年の世界選手権でも2位など、輝かしい成績を残した町田樹氏が、6月15日に自身初となる著書を出版した。
羽生結弦選手や浅田真央、ブライアン・オーサーコーチなどフィギュアスケート関連の出版物はベストセラーになることが多く、現役時代からのファンやスケートファンが買い求めるのではないかと思われるが、町田氏の著書はいささか勝手が違うようで…。
「町田氏の本は、値段がなんと税込み5500円。ちょっと気軽に買える値段ではないのですが、それもそのはず、『アーティスティックスポーツ研究序説:フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』(白水社)というタイトルの学術書なんです」(女性誌記者)
町田氏は2014年の年末に世界選手権の出場辞退とともに電撃引退を宣言。その理由が大学院進学だった。2015年4月に早稲田大学の大学院で学生生活を始め、博士号の学位を取得。今回の本は博士号の学位論文に書き下ろしを加筆した1冊なのだという。
「全六部構成で、美学論、著作権論、作品批評論、市場経済論、産業論、アーカイブ論と多角的にとらえ、現状とこれからのこの分野のスポーツがどうあるべきかを考察しています」(前出・女性誌記者)
2018年からは慶応大学、法政大学でも非常勤講師として教鞭をとっていた町田氏。2020年10月からは国学院大学で助教として着任する。
フィギュアスケートから大学助教へ。華麗なる転身の証がこの書籍なのだ。(芝公子)