「人間じゃなく作り物のフランス人形になりたい」と公言するヴァニラ。今年4月にテレビ番組「私の何がイケないの?」(TBS系)に出演し、総額1000万円の全身整形を告白。その後も整形を繰り返し、現在は整形回数30回、総額は2000万円を超えたという「整形サイボーグ」なのだ。
「整形をしたいと思ったのは、小学生時代のイジメがきっかけです。学校の廊下に行くと、何人もの同級生が待ち構えていて『ブサイク』とか『気持ち悪い』って言葉を浴びせてくるんですよ。放課後になると公園に連れて行かれ、そこにあったテーブルに油性ペンでビッシリと『ヴァニラ死ね』と書かれたことも。当時はそんなことが日常茶飯事でしたね」
さらにそこから彼女を整形へと突き動かしたのは、イジメを相談した際に、両親から投げかけられた信じられない言葉だった。
「『不細工だからしかたがない。整形しろ』と言われたんです。そうなると、この顔で生きてはダメなのかって思うじゃないですか」
学校どころか、家にも居場所はなかった。
「家にいても学校にいてもツラいのは一緒だから、当時は学校を1日も休まなかった。学校に行くのをヤメようと思ったら、イジメる人の思惑にハマるような気がしたから。とにかく負けたくなかったんです」
同級生たちを見返すには「ブサイクな自分と決別すること」。そう信じたヴァニラは18歳の時、人生初となる整形に挑戦した。
「二重になった自分を見たら『キレイになった!』と思いましたね。でもそうなると、もっとキレイになりたくなるんですよ」
整形費用を稼ぐためにホステスの仕事に就き、給料は全て整形に費やした。こうして出来上がったのが現在の顔だが、周りの反応は変わったのか? いつか見返してやりたいと思っていた同級生たちの反応は?
「実際に会ってはいないですけど、自分の中で『あの人よりはキレイになっているだろうな』という気持ちはあります。そういう意味では見返せていると思う。ホステスをやっている時はお客さんもかなり増えましたし、金銭的な見返りも大きかったです」
とはいえ、フランス人形を目指すという目標は、やはり奇異に映る。
「なぜフランス人形になりたいかというと、それを美しいと思わない人はいない“美の象徴”だから。普通の人間の顔は好みもあるし、どんなに美人でも否定する人がいるでしょ。私は誰からもキレイと思われたい。周りには『もう十分キレイになったから整形しなくてもいいでしょ』と言われます。でも私は、人の意見に左右されることはない。どんなに周囲から言われても、学生時代のイジメを思い出せば、いまさら何も怖くないから」
そう話す一方で、「もちろん人間が人形にはなれないことくらいわかっている」とも語る。
「絶対に達成できないからこそ近づけるように努力できる。達成できたらそこで終わっちゃうから。だから私のゴールはないですね。永遠に美を追求していくつもりです」