テリー それでほんとに紅白に出るんだから、すごいよね。
丘 ファンの方がめちゃくちゃいい方ばかりなんですよ。私、自分からあまり大きな夢を言わないんですけど、「そのみどりちゃんの性格がよくない」「もっと紅白に出たい」「今年出ます」とか言ったほうが実現するよって言ってくれるんです。そういう皆さんのおかげで「私、いつかじゃなくて、今年出られる歌手になります」って言えるようになった。
テリー 実際に決まった紅白はどうだったの?
丘 いや、もう出る前は「1回出れたらいいや」と思ってたんですけど、歌い終わったら「やっぱり来年も出たい」という欲が出てくるというか‥‥。一人で立てる舞台ではなかったので‥‥。悔しかったり、つらい思いもたくさんしてきましたけど、今はよかったのかなと思います。
テリー 出場決定って、出演者はいつ教えてもらうの?
丘 初めての紅白は、NHKさんにドッキリを仕掛けられてたので、私は会見の当日でした。「レッスンなので来てください」って言われて行ったら「この何時間後に記者会見があるので出てください」って。
テリー へぇ、それはうれしいね。
丘 もう、うれしいなんてもんじゃなかったです。すぐ実家に電話したんですけど、お父さんは「ウソやん」って、全然信じてくれなかったです。
テリー そりゃ、そうだよなぁ。お母さんは?
丘 お母さんは、私が20歳の時に大腸ガンで亡くなったんです。もう15年ぐらい前ですかね、47歳で。
テリー わぁ、めちゃくちゃ若いなぁ。今生きてたら62歳ぐらいか。70歳の俺より年下だよ。定期検診は?
丘 大腸だけしてなかったんですね、あとはしてたんですけど。もう手術した時は末期で、余命3カ月でした。
テリー そうかぁ。晴れ姿、見せたかったなぁ。
丘 そうですね。会場に呼びたかったです。
テリー でも、きっと向こうで喜んでくれてるよね。ところで、紅白に出ると地方へ行った時とか、よくお客さんの反応が変わるって聞くけど、あれはほんと?
丘 あ、それは本当です。もうぜーんぜん違います。世界が変わりました。
テリー あ、そう。何がそんなに違うの? お弁当が豪華になったり?
丘 はい、それもありますし、大部屋だった楽屋が個室になりました(笑)。それから事務所で移動車をもらえるようになったり。どこへ行ってもメイクさんがついて来てくださるようになったり。それまではマネージャーさんと2人だったので、スタッフの数が増えてにぎやかになりましたね。
テリー それは丘さんが事務所の稼ぎ頭だからさ。もう天狗になってるんでしょ?
丘 なってません(笑)。