巨人ファンとして知られる俳優・柳葉敏郎。若い頃には野球未経験ながら、現在は地元秋田県に本拠地を置く社会人野球のクラブチーム〈大曲ベースボールクラブ〉のアドバイザーを務め、選手として出場経験もある。その甲斐あってか、中井貴一主演で2015年に公開された映画「アゲイン 28年目の甲子園」に投手役で出演、堂に入った投球フォームを見せた。
そんな柳葉が元プロ野球選手、楽天ゴールデンイーグルスでは監督経験もある大久保博元氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉の、7月9日投稿の〈【神回】野球人になりたかった…過去を明かす(ネタ多め)〉に出演、大久保氏と野球について熱く語った。大久保氏が野球の魅力を訊ねると柳葉は、
「攻撃と守備とのメリハリがある。その狭間にじっくりと駆け引きできるじゃん。ベンチと選手たちと…あの空気だよね。あれ人生なんだよね」
すると大久保氏はさすが監督経験者らしく、こう受けた。
「勝負してる間に1番良くないのは慌てちゃう事、エラーしたとか、暴投放ったとか。あと、うろたえちゃうこと。監督はなんで替えたんだろとか、選手に心配させちゃったら、指針がずれて、みんなわかんなくなっちゃって。負けることを怖がるより、その2つ(慌てる、うろたえる)を起こさせないのが監督だと思ってやってたんですけど、野球ってそれが起きやすいじゃないですか。相手のヤジでも精神的に崩れる時あるし。それをいかに我々が守るか、ものすごい駆け引きですもんね」
そして番組終盤、コロナ禍により高校野球の甲子園大会が中止になったことに対して、大久保氏が意見を求めると柳葉は、「彼ら(高校球児)が大人になって、お酒を飲むようになって、この歳になった時に、誰もが経験していないあの年(2020年)の話でしこたま盛り上がれるんじゃないかな、変な話だけどね」と謙遜を交えつつ語った。
これに大久保氏が「先輩に殴られた話とか、しごかれた話って今めちゃめちゃ楽しいですよ。先輩、あれはないですよ、とか」と応じ、最後は柳葉が「その話が宝物になるはずなんだよね…にしてほしい」と願望を交えて語ったのだった。
青春は1度しかない。その青春時代に悔しがってばかりいても前には進めない。野球に限らず、スポーツに限らず、それこそ子供から大人まで味わっているコロナの苦境。後で宝だったと笑っていられるよう柳葉から勇気を授けられた思いがした、心に沁みる回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)