日本プロ野球界において、名球会入りも果たす2000本安打の業績は大きい。1956年達成の故・川上哲治氏を始め、NPBのみの記録を見れば、長嶋茂雄氏、王貞治氏、故・野村克也氏等、全部で52人のスラッガーが名を連ねている。この偉業に、18年の福浦和也以来、53人目として名を残そうと挑んでいるのは、首位打者、最多安打ともに各1回タイトルを獲得している巨人の坂本勇人だ。
19年のシーズンを終了した時点で1884本と、残り116本に迫り、平均的に1シーズン150本は打っていることから、20年の達成は確実視されている。加えて坂本選手には最年少達成記録もかかっていたのだが…。
NPBのみでは68年に達成した故・榎本喜八の31歳と229日が最年少記録で、88年12月14日が誕生日の坂本選手は7月29日までが52年ぶりの快挙のリミットだった。前半で量産すれば不可能ではない数字だったのだが、コロナ禍により開幕が6月19日に延期。元プロ野球選手の高木豊氏もみずからのYouTubeチャンネルの5月4日投稿回で、記録のためだけに坂本選手は野球をやっているわけではないが、「もう無理だよね」と悔しがっていた。
しかし、そんな坂本選手にも、今シーズン中に2000本目が出れば、72年に達成した張本勲氏を抜いて最年少第2位のチャンスはまだ残っている。7月18日の試合で1901安打目を放ち、残り99本とカウントダウンがいよいよ始まり、7月28日時点で1909本安打を記録している。
巨人のYouTubeチャンネル〈読売ジャイアンツ〉では7月20日に〈2000安打へ!坂本勇人、過酷練習を志願!〉を投稿、坂本選手が元気に守備練習に励み、リフレッシュにと飲んでいたペットボトルの水を頭から浴びる貴重なシーンも披露している。
なかなかバッティングの調子が上がらずにベンチスタートとなる機会も見かける今シーズンの坂本選手だが、ファンが一番に見たいのはチームの優勝だろう。開幕直前に新型コロナウイルス感染が発覚した坂本選手には、焦らないようにと敢えて神が与えた試練だったのかもしれない。記録以上に、ぜひケガの無い元気な姿でシーズンをまっとうして頂きたいものだ。
(ユーチューブライター・所ひで)