1981年から94年まで常勝球団だった西武ライオンズで活躍し、チームリーダーを任された元プロ野球選手の石毛宏典氏は、88年、落合博満氏、門田博光氏、東尾修氏らに続く史上4人目の1億円プレイヤーになったことでも有名だ。
そんな石毛氏がみずからのYouTubeチャンネル〈石毛宏典TV〉で、華々しく見えた1億円プレイヤーの裏側で苦悩していた過去を激白した。8月6日投稿〈年某1億円になって、言われたこととは…!プロ野球生活で最も影響を受けた人・根本陸夫監督の話をします!〉がそれだ。
1億円プレイヤーとなり、チームリーダーと呼ばれ、やや天狗になっていた面もあると当時を振り返る石毛氏。しかしその反面、自分のために一生懸命やっているだけで、チームリーダーを気取ろうなどという意識ではなかったことから、スッキリしない居心地の悪さも感じていたようだ。
そうした複雑な心境を、78~81年までライオンズの監督を務めた故・根本陸夫氏に相談したこともあったようだが、この根本氏、「野球を通じて人間形成をどうするか」が口癖で、「1億もらったって大したことないんだぞ。シーズンオフは同級生と飯を食ってこい。お前の同級生は一般社会に出て時代とともに生きている。お前らビニールハウスに入ったら外がどんな気候なのか、風なのかわかんねえだろ」と石毛氏に説いたのだと明かした。
故・野村克也氏もプロ野球を引退してからの人生のほうが長いことから、どう生きていくかを説いていたとよく語られている。
根本氏が現役として活躍したのは意外にもほんの4年だけで大きな功績は残していないが、その後、監督を11年も務めている。苦労人ゆえの含蓄のある言葉だ。
(ユーチューブライター・所ひで)