8月6日に甲子園球場で行われた伝統の一戦、阪神対巨人戦が物議を醸している。11点差がつき敗戦濃厚となった8回のマウンドに、巨人は野手の増田大輝を投手に起用したのである。
これに中畑清氏は容認、江川卓氏は否定…と巨人OBの中でも賛否両論入り乱れ、堀内恒夫氏にいたっては「こんなこと絶対やっちゃいけないよ」とブログで大激怒している。
そんな中、巨人やMLBで活躍した元プロ野球選手、上原浩治氏も賛成を唱えたが、みずからのYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉、8月11日投稿〈【緊急】増田大輝選手の野手登板問題について言いたい事があります。【最後まで見て下さい】〉で、あらためて、日本では珍しいことかもしれないが、MLBでは普通の戦略の1つとされていることから、どこが批判されるいわれがあるのかと否定派に噛みついた。
巨人のような伝統球団がすべきではないとの指摘に対して上原氏は、完投が前提の沢村栄治賞も近年は分業化が進んで完投試合数が減っていることから、完投していない選手も選ばれていると指摘、良い物を残すのが伝統だと主張し、「まわりがとやかく言うことではなく、監督である原さんが采配したのだからそれが正しい」と結んだ。
今回の騒動で、原監督は「いつも最初は笑われる」とコメントしているが、筆者は、ふとジョナス・ハンウェイの逸話を思い出した。1750年頃、イギリスの街で傘をさし、ロンドン中から嘲笑を浴びたという海運業者だ。男性が傘をさす習慣のなかった当時の逸話である。当時はハンウェイの傍らに馬車を走らせ嫌がらせをする者もいたそうだが、後にそのスタイルは「ハンウェイ風」と評され、傘は英国紳士のシンボルにまで高められている。さて、あなたは原監督の采配をどう思われるだろうか?
(ユーチューブライター・所ひで)