タレントの蛭子能収が11月16日の番組ロケ中に右手の小指を骨折していたことが20日に分かり、漫画家としての仕事はしばらく休止せざるを得ない状況となったようだ。
負傷した現場となったのは、現在の“蛭子人気”を支える名物企画「路線バスシリーズ」の後続番組である「土曜スペシャル 太川・蛭子のローカル鉄道寄り道の旅2」(テレビ東京系)の撮影現場で、歩行中に転倒した際、地面に着いた右手の小指を骨折してしまったという。蛭子は痛みに耐えながら撮影を続行し、夜間診療で訪れた病院先で治療を受けると、後日、整形外科の診察を受けた際に右手小指の基節骨骨折だと言い渡されたとのこと。
蛭子といえば、漫画家にタレント、ナレーター、俳優などの分野を問わないマルチな活動をしてきたことでも知られるが、小指の骨折という今回の災難を受け、漫画の執筆はケガが完治して以降になる予定だと伝えられている。
「71歳となった蛭子は路線バスシリーズのぶらり旅の中でも、何度かつまづいたりするシーンが散見され、疲労の蓄積が心配されていましたので、今回の負傷は多方面で活動する蛭子にはいい休息になるかもしれません。ただし、指を骨折したことで漫画家の仕事が休止になるのは当然とはいえ、ファンからは『この方の漫画はどうでも良いけど、鉄道旅はほどほどに出演してもらえるときは出演してほしい!』『漫画家は副業。本業はテレビに出ること』『ローカル鉄道旅はゆっくりでいいから続けてほしい』『楽しみにしてるから放送中止にならない事を希望します』との要望が殺到。漫画家の休止よりもむしろローカル鉄道旅の今後を懸念するファンが多いようですね」(テレビ誌ライター)
中には「旅番組のタレントのイメージが定着してるから、本業の漫画もちゃんと描いてるとは意外だった」との声もあり、今の蛭子は完全に“バスと鉄道で旅するおじさん”といったイメージが定着しているようだ。
「最近になって、芸人などがぶらぶらと散歩する旅番組が増えましたが、のんびりとした旅の情緒を味わいたい視聴者の思いとは裏腹に、お笑いタレントはオーバーなリアクションやコメントを連発する。その点、いい意味で背伸びをまったくしない蛭子の“ゆるいスタンス”が見やすく爆発的な人気となっています。そもそも、相手を気遣ったお世辞や気遣いが苦手という蛭子ですから、狙いではなく本性なのかもしれませんが、それが回りまわって視聴者のハートをガッチリとつかんでいるのでしょう。71歳のタレントが指を骨折してもなお番組の継続と参加を熱望されるというのは、ある意味で異様な光景ではありますからね」(前出・テレビ誌ライター)
漫画家としての休止を悲しむ声があまり見受けられないというのは、蛭子には皮肉な話だろうが、どちらにせよ、「ローカル鉄道旅」ともども、異常なほど高い人気を誇っているだけすごいことだろう。健康面を優先しつつ、多くの視聴者が求める脱力感満載の鉄道旅に元気よく復帰できることを祈りたい。
(木村慎吾)