嵐のライブイベント「アラフェス 2020 at 国立競技場」が、無観客ライブとして配信されることが9月15日に明らかになった。配信日時などの詳細は今後発表されるというが、コロナ禍により5月開催予定が延期になっていたが、今年末での活動休止を発表していることから、現時点では最善の策を選んだ形だ。
ファンはアラフェスの開催実現に喜びつつも、配信障害などのトラブルを懸念する声も少なくない。加えて業界内からは、別の角度から心配の声があがっているという。アラフェスの集客次第では「嵐は韓流グループより格下」という評価がされかねないというのだ。
「会場の制約がない配信ライブでは、サーバーが堪えうる限りいくらでも大人数が視聴できます。国内ではサザンオールスターズの配信ライブを18万人が購入したと話題になりましたが、海外に目を転じると、人気韓流グループのBTSが6月14日に開催した『BANG BANG CON The Live』は最高同時アクセス数で75万人超が視聴。“最も多くの視聴者が観たライブストリーミング音楽コンサート”としてギネス世界記録に認定されました。このためアラフェスには“BTS超え”するかどうかが注目されている面もあるわけです」(芸能ライター)
嵐のファンクラブ会員数は4月の段階で298万人に達しており、3分の1がアラフェスを観れば、それだけで100万人近い世界記録が達成できる計算になる。しかもこれまでのコンサートでは事実上、ファンクラブ会員しかチケットが入手できなかったのに対し、配信ライブなら誰でも視聴チケットを購入できる可能性も高い。そう考えるとBTSに負ける要素はなさそうだが…。
「問題は、直近の会員番号から推測されるファンクラブの会員数はアテにならないということ。すでに辞めた会員も少なくありませんし、チケット当選目当てに家族名義で入っているケースも多く、実数は意外に少ないとも言われています。実際、直近のシングル『カイト』はミリオンセラーを達成していますが、111万枚という数字はファンクラブ会員数の半分以下に過ぎません。しかも同シングルには初回限定盤、通常盤、ファンクラブ会員限定盤と3種類が用意されているので、実際に購入した人はさらに少ないことが容易に想像できます」(前出・芸能ライター)
そうした状況に加え、配信ライブならではの特殊な事情も関わってくるというのだ。
「リアルなコンサートなら入場者ごとにチケットが必要ですが、配信ライブならチケット1枚で何人ものファンが一緒の画面で楽しむことが可能。そのため同時アクセス数は実視聴者数より少なくなるのです。いくら嵐のファンと言えどもギネス世界記録のためだけに何千円もする配信チケットを全員が買うとは思えず、むしろ集団視聴するケースが増えるはず。これらの状況を総合すると、BTSのギネス世界記録に及ばない恐れもありそうです」(前出・芸能ライター)
サザンのライブでは18万人のチケット購入者に対し、総視聴者数は推定で約50万人と言われており、3倍ほどの乖離がある。はたしてアラフェスではいったいどれだけの配信チケットが売れるのか。
(金田麻有)