テリー 今、経済的な部分はどうなんですか。
高知 やっぱり最初の1年は、もともと少ない貯金がどんどん減っていって、恐怖でした。でも依存症界の仲間と出会って、やっと少しずつ講演やセミナーでお話しさせていただく機会が増えてきました。あとは横浜に有名な演歌歌手の大先輩がいて。清水節子さんという方なんですけども。
テリー えっ、清水節子さんって、あの? ちょっとセクシーな感じの。
高知 そうです、そうです。昔「11PM」でレポーターとかやられてた方なんですけど、今は歌を歌っていて。
テリー そうなんだ。
高知 その方が今、「あなたはとにかく家に閉じこもってないで、自分を見つめ直すにしても、とにかくクサっちゃダメだから、外に出なさい」って歌を教えてくれてるんです。だから今は僕の師匠みたいな方なんですけど。それでライブで歌わせてもらったり、ありがたいです。
テリー へぇ、よかったなぁ。今、彼女は?
高知 いないです。
テリー でもモテるでしょ。
高知 僕、捕まってからまず酒をやめたんです。そうすると夜、歩き回らなくなるので必然的に僕の好きなタイプの女性に出会うことがなくなりました。だから彼女もできないんです。
テリー だって、まだ55歳でさぁ。セックスもしたいじゃない。
高知 いや、今はほんとにAVが僕の友達で(笑)。FAプロのヘンリー塚本さんの作品にハマッてます。
テリー アハハハ!
高知 あと、これ余談ですけど、僕にとっての薬物の副作用というのが一つありまして。
テリー なに?
高知 街を歩いてると、「あ、この人やってるな」というのが、なんとなくわかるようになりました。
テリー ええっ、ほんと?警察犬みたいだな。
高知 そうですね(笑)。だから、今まで皆さんにさんざんご迷惑おかけして、どうしようもない男ですけど、それだけは一つ、もしかしたらお役に立てるかなと思ってます。
テリー それ、おもしろいなぁ。じゃあ今度、俺のユーチューブに出てよ。一緒に街を歩きましょう。
高知 はい、ぜひお願いします。
テリー 今日、初めて高知さんとゆっくり話させてもらったけど、基本的にネアカだよね。
高知 そうですか。
テリー うん。今までこの連載ページで、薬物で捕まった人と何人も対談してきたけど、こんなに明るくしゃべってくれたの、高知さんだけですよ。
高知 あ、そうなんですね。
テリー だって話したくないことや思い出したくないことも聞くしさ。今日は誠実に答えてくれて感謝してるんですけども。それは高知さんの魅力だよね。
高知 いやぁ、テリーさんにそんなこと言ってもらえるなんて、めっちゃうれしいです。
テリー これからの夢は何ですか。
高知 僕はもう目標と夢を持つのはやめたんです。今までそれを持って「もっともっと」と追いかけすぎたことが、結果的に自分をゆがめることになってしまったと思いますので。だから今は、今日というものを大事に、楽しんで、とにかく積み重ねていこうと。その先に、やっと明日が見えてくるのかなと思います。
◆テリーからひと言
どんな質問にもずっと明るく答えてくれて、ほんとに感謝してます。いや、モテるの、わかるなぁ。今度お呼びしますので、僕のユーチューブで、ぜひ街ブラしましょう。