●ゲスト:ドン小西(どん・こにし) 1950年、三重県生まれ。文化服装学院卒業後、アパレルメーカーに就職。81年、独立し、「小西良幸デザインオフィス」設立。ファッションブランド「FICCE」を立ち上げ、ヒットさせる。その後、「とくダネ!」(フジテレビ系)のファッションチェックコーナーに出演、人気に。近年もシドニーオリンピック・日本選手団公式服装選考委員会の委員や、「財団法人日本ユニフォームセンター」の理事を務めるなど、日本を代表するファッションデザイナーとして活躍。「週刊朝日」(朝日新聞出版)にて「ドン小西のイケてるファッションチェック」を連載中。
世界的なファッションデザイナーの一方、タレントとしても活躍するドン小西が先日70歳の古希に。その誕生日をオンラインで祝った盟友テリーが、なぜか弟子入りを決意!? 現在も精力的に活動できる秘訣はどこにあるのか。その真相にテリーも思わず驚愕した!
テリー この前、ドンさんの70歳のオンラインパーティーがあってね。
小西 ありがとうございました。まぁ、ちょっと予定どおりいかない部分もあったけど。やっぱり若い人はいいけど、年配の人はWi-Fi環境がなかったり、やり方がわからなかったりするんだよね。
テリー あ、そう? 全然気にならなかったけど。
小西 じゃあ、よかったですよ。
テリー でね、今日、ドンさんに来てもらったのは、僕、これからドンさんについていきたいと思ってて。
小西 アハハ、なんで?
テリー だって同世代だけど、僕とはまた全然違う感性の持ち主だから。というのも、僕らが学生の頃ってアイビーやアメリカントラッドがはやったけど、ドンさんは見向きもせず、次に行ったでしょ。それが僕にはすごく衝撃的です。
小西 あぁ。まぁ、たぶん僕は生き方として欲張りなんですよ。そこにとどまっていたいと思わないから。
テリー というと?
小西 例えば、僕と同世代の友達には、もう人生を畳みかけている人がいるわけ。毎日同じ仲間と会って、食事なんか4時半ぐらいから始めて、酒飲んで、昔の話をして、「あぁ、今日も楽しかった」って、毎日同じこと繰り返してさ。
テリー 優雅だね。
小西 何度か誘われて行ったけど、「これ、違うなぁ。退屈だなぁ」と。「昔の話ばっかりしててもしょうがないよ」って、ちょっと思ったりするわけね。
テリー わかりますよ。
小西 ただ、そうすると「俺は何を目指してるのかなぁ」って、最近ちょっとわからなくなっちゃったんですよ。「俺は人生をうまく畳めない人間なのかなぁ」とかね。確実に体はむしばまれていくわけで、ボケたりもするしね。
テリー 今、そんな症状あるの?
小西 ありますよ。今、血糖値と尿酸値と中性脂肪と心臓の薬を飲んでるんだけど、「あれ、飲んだっけ?」って忘れちゃったりね。これ、絶対に年ですよね。
テリー そのぐらい誰でもありますけどね。
小西 まぁね。だけど、まだ青春したいし、学びたいし、新しいこともやりたいというのがいっぱいあってさ。新しいファッションにも敏感だし、着たいと思うし。要するにいつまでも往生際が悪いんだよね。
テリー いや、大事なことですよ。さすがだな。今日はそういうドンさんの最近の話が聞きたかったんですよ。
小西 最近ね。ほんとにきれいでスタイルもファッションセンスもよくて、性格もいい19歳の女の子がいてね。いいなぁと思ってる自分がいたりするんですよ。
テリー いいじゃないですか。
小西 でも、一緒に写真を撮ったら横にジジイが写ってて、それ、僕なのね。で、「あっ、これは世間一般では恥ずかしいことなんだ」と。だから最近は「俺って何なんだろう」って思ったりしてますね。