「4戦全勝」で読売ジャイアンツを下し、福岡ソフトバンクホークスのV4に終わった2020年の日本シリーズ。最高殊勲選手賞(MVP)には初戦で先制2点本塁打をはじめ3打数4打点の活躍を見せ、通算打率「.500」を記録した栗原陵矢が選出された他、優秀選手賞にはマット・ムーア、中村晃、柳田悠岐らソフトバンクの面々が表彰された。
そんな中、シリーズで、2本の本塁打を放ち、守ってはソフトバンクの剛腕ピッチャーをキャッチャーとしてみごとにリード、攻守にわたる活躍を見せた甲斐拓也が隠れMVPだとの呼び声も高い。
元プロ野球選手、広島カープでは監督経験もあり、2017年、18年には1軍ヘッドコーチとしてソフトバンクのV1、V2を支えた、達川光男氏が、その甲斐を「凡事徹底の人」と激賞する番組があった。
元プロ野球選手、高木豊氏のYouTubeチャンネル〈高木豊 Takagi Yutaka〉の、〈【古田敦也も認めた打者とは!?】当時苦労した打者とソフトバンク甲斐選手について語ってもらった!〉と題された投稿回がそれだ。
─ソフトバンクのキャンプでの食堂は朝の6時に開く。朝食をとらずに済ませてしまう若い選手もいることから、達川氏が隠れて偵察していた時のことだ。甲斐は休日以外は毎朝6時ちょうどに食堂に顔を出していたそうだ。しかも感心なのは、整髪と髭剃りが済んだ、きちんとした身なりだったそうで、練習もそうだと達川氏は語る。
「1番早く球場に来て、ビデオを観て、予習して、実践して、1番帰るのは最後。復習して、それでまた次の日来る」と、いつ寝てるのかと心配するほどだったと達川氏は振り返り、「凡事徹底」の言葉を繰り返していた。
ところで、この動画が投稿されたのは9月27日で、まだソフトバンクがリーグ優勝も決めていないタイミングだった。まさか、ここまでピタリとハマり、まるで日本シリーズでの甲斐の活躍を予見していたかのような動画になるとは、達川氏も今ごろ驚いているかもしれない。
(ユーチューブライター・所ひで)