10月5日に山口県の中国自動車道で乗っていた車が事故を起こし、さらに後続車に跳ねられて心臓破裂という壮絶な死となったタレントの桜塚やっくん(享年37)。11年の震災直後には示談に終わったはずの女性トラブルが発覚し、以降、テレビに出ることはほとんどなくなっていたが、それでもトップニュースとして全国に衝撃を与えている。
そんなやっくんの大ブーム期は、あまりのファンの嬌声や、観客をいじって笑いを取るというスタイルに、一部のお笑いマニアや評論家筋から厳しい声が出たのも事実。ではあるが、不思議と芸人仲間からの悪口は聞こえてこない。
「それはやっくん自身が誰よりもお笑いが大好きだったからですよ」
都内でお笑い劇場を仕切るプロデューサー・T氏の弁。やっくん自身の出番前や終わった後は、いつも舞台袖で新人たちのネタを熱心に見ていたという。
「ハマカーンの浜谷健司は無名時代に同じ場所でティッシュ配りのバイトをやっていたし、小島よしおは誰よりも先にやっくんが『こいつはすごい!』とアピールして回っていた。彼のプッシュが売れるきっかけになった芸人は、10組や20組じゃきかないほど」(前出・T氏)
女性トラブルでテレビ出場の機会がなくなると、被災地を中心に若手の芸人たちを引き連れて出張公演。自身の知名度を利用し、若手たちにギャラを与える機会を何度となく作った。
この先も、空から「次のブレイク候補」を見つめることだろう、合掌──。