漫才日本一を決める「M-1グランプリ2020」(テレビ朝日系)の決勝戦が12月20日に生放送され、結成13年目のマヂカルラブリーが優勝を果たした。そのネタを巡ってお笑い好きを二分する大論争が起こっているという。
「マヂカルラブリーのスタイルはボケの野田クリスタルが激しいアクションを続け、それに対して相方の橋本がツッコミを入れ続けるというもの。いわゆるしゃべくり漫才の形にはなっておらず、野田の動きなしには成立しないネタのため、そもそも漫才ではないとの指摘が少なくありません。そのため、日本一の漫才師を決めるM-1グランプリの場にはふさわしくないとの批判が続出しているのです」(芸能記者)
マヂカルラブリー自身は「あれは漫才です」と主張しているものの、ネット上では<漫才を冒涜しているレベル><ちゃんと漫才で審査して欲しかった><てゆうかこれが漫才なの?>といった声が続出している。
だが過去をさかのぼれば、そもそも正当派のしゃべくり漫才師だけが優勝してきたわけではないのもまた事実。しかもマヂカルラブリーを否定することは、M-1グランプリの歴史自体を否定することになりかねないというのだ。
「歴代優勝者の中でも高く評価されている2007年のサンドウィッチマンがファーストラウンドで披露した『街頭アンケート』と最終決戦の『宅配ピザ』は、冒頭こそ『どうもサンドウィッチマンです』と漫才風に始まるものの、ネタそのものは明らかにコントでした。しかし今、サンドウィッチマンのM-1グランプリ優勝を《あれは漫才じゃなかった》といって否定する人などいないはず。それゆえマヂカルラブリーのネタを批判する人は、サンドウィッチマンをスターに押し上げたM-1グランプリ自体を否定する形になっているのです」(芸能記者)
サンドウィッチマンの伊達みきおは12月21日未明にブログを更新し、マヂカルラブリーの優勝を「おめでとう 面白かった!」と祝福。続けて「センターマイクに向かって舞台袖から出てきて『どうも』と始まれば、それは漫才。漫才の定義なんて、それくらい」と綴っていた。マヂカルラブリー否定派は、そんな伊達の見解を、どう捉えるのだろうか。
(金田麻有)