ついにはヤンキー役までこなすようになったが、本格派女優の本領を発揮した作品は、18年の「食べる女」(東映)だ。
彼氏にフラれたショックからバーで酔い潰れる日々を過ごすアリスは、ある日の帰り道、偶然出会ったサラリーマン役の笠原秀幸と一夜を過ごす。
後日、再会した男は部屋に入るなり、待ちきれなかったかのように速攻で唇を求め、唾液をすすっては着ていたTシャツを脱がす。ベッドに移動すると、もうアリスは何も身に着けておらず、布団の下に潜り込んだ男のハードなクンニを受け入れる。陰部を舐め回され、よほどの快楽に耐えられず、「ハアァン、アンッ‥‥」とアエぎよがるリアルな表情を浮かべるのだった。
やがて正常位で2人は重なり合い、アリスの中に出入りする男は、感度を増してフィニッシュする。ヌードまで披露した、アリス史上最大の艶技だろう。
映画評論家の秋本鉄次氏が付け加える。
「確かに『食べる女』のアリスも魅力的です。しかし艶技という部分においては、18年公開の『銃』(KATSU-do/太秦)で演じたヒロイン・ユウコ役が好みですね。村上虹郎演じる主人公が、銃を持つことで気が大きくなって横柄にユウコに接する姿を翻弄するかのように、やけにフレンドリーにあしらう。やがて自室にも誘って“エッチOK”サインを出しまくるユウコ役が見事にハマッているんです」
アリスの男を手玉に取る演技は、以後の作品でも定評を得ていく。
一方、ファックシーンはすずも経験している。16年公開の「怒り」(東映)で、レイプされる女子高生を熱演してみせたのだ。秋本氏が続けて解説する。
「公園でアメリカ兵に凌辱されるシーンは印象的です。買い物帰りに夜の公園を歩いていると、いきなりアメリカ兵2人が襲いかかってくる。ブランコの鎖を掴んで必死に抵抗しますが、下着を荒々しく脱がされて後ろから犯される姿はインパクトがありますね」
姉妹そろって女優魂を持ち併せているのは事実。優劣はつけがたいが、男をそそらせる妖艶な濡れ場を演じさせたらアリスに分がありそうだ。
「26歳というのは、まさに女優として色気が増す年頃です。事務所としても、濡れ場に限らずどんなシチュエーションでもNGなしでアリスを売り出している。さらに露出を増やして、大女優への道を歩ませる段階に来ています。いい作品に出会えば、本人もオールヌードの濡れ場だって厭わない性格なので、大きな飛躍を遂げるでしょう」(芸能プロ関係者)
アリスにあってすずにないものは、こうした「振り幅」だ。
アリスは、3月7日に生放送で行われるピン芸人の日本一決定戦「R-1グランプリ2021」(フジ系)のMCまで務める。バラエティーから本格女優活動まで制限を設けない女優魂に、年々需要が高まっているのは当然とも言えよう。