本当にこれで視聴率取れるの?テレビ業界関係者がTBSの決断に首をかしげる向きが少なくないという。
TBSが4月番組改編発表会見を行ったのは、去る2月16日。その印象は、若者層を取り込むための露骨な高年齢層排除の布陣を敷いた、というものだとか。テレビ誌記者が解説する。
「『より多くの家族に届く番組を』が今春の編成方針。改編率は全日帯19.17%、ゴールデン帯32.86%、プライム帯35.36%。これほど大掛かりな改編は7年ぶり。これまでの視聴者中心層を10歳ずつ若返らせ、4歳から49歳に響くラインナップで勝負しようというものです。つまり長年見続けてくれた高年齢者用番組を打ち切り、若向きの番組をとりそろえて勝負に出る作戦。視聴者よりCMスポンサーありきの姿勢が感じられます。ますます高齢化が進む中、CMスポンサーにとって物を買わない、すなわち魅力的でない高齢者ではなく購買欲の高い現役世代向け番組で高視聴率を取り、低迷している営業収入を引き上げようとしているのでしょう。テレビ朝日のように高年齢層に特化した定番重視路線に背をむけ、勝負に打って出るわけです。このあたりの問題はどこの局でも抱えているジレンマで、失敗した時が怖くて手をつけたくてもできないのが現状です。他局はTBSの“決断”をお手並み拝見と注視しているはずですよ」
長寿番組「スーパーサッカー」「CDTVサタデー」を終了させて、「噂の!東京マガジン」はBS-TBSに異動。朝の帯番組「グッとラック!」を打ち切り、ワイドショーから撤退し、情報バラエティー番組「ラヴィット!」をスタート。バラエティーを増やす一方で既存のバラエティーを移動させ、つかんだ視聴者をとりこぼさないようにしているとみられる。
「意外なのが、日曜夕方6時30分からの新番組『週刊さんまとマツコ』だ。明石家さんまとマツコ・デラックス共演のトークバラエティー。MCの2人のおしゃべりを存分に聞かせる番組のふれこみなのに、まさかの30分番組。2人にしゃべらせるなら、最低1時間は必要なところなのに、スポンサーがつかなかったのかも、なんて勘ぐってしまいます。芸能界の重鎮さんまに気を遣い、言いたいことの半分も言えずにストレスを抱えそうなマツコが心配です。それでなくてもマツコはぎっくり腰になったり、原因不明の目の充血が続いたりで体調もよくないみたい。たとえ数字がよくても、負担にならないか…」(芸能ライター)
ともあれ、思い切った改革を断行したTBS。4月の番組視聴率ランキングが楽しみだ。
(塩勢知央)