元プロ野球選手、川上憲伸氏は1997年、ドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。プロ入り1年目から14勝6敗の華々しい成績をおさめ、新人王にも輝いた。
また、この年のオールスターゲームでは初戦に先発で出場し、当初の予定は2イニングだったところ、3イニングをみごとおさえ、MVPを受賞しているのだが、このイニング延長は、あの名将の配慮であったことが、川上氏のYouTubeチャンネル〈川上憲伸カットボールチャンネル〉で明かされた。
2月21日に〈【野村克也&落合博満】名将たちの神采配と知られざる素顔〉とタイトルをつけた投稿回を観てみると、その監督とは、ヤクルトスワローズを3度の日本一に導いた、故・野村克也監督である。
2イニングをおさえてホッと一安心の川上氏。キャッチャーを務めていた古田敦也氏と喜びを分かち合った直後、セ・リーグの監督として采配を振っていた野村監督から「もう1イニング行けよ」と指示。「ピッチャーでMVPなんて、滅多にいねえんだから。他のやつにはオレからちゃんとやっとくから」と心遣いを見せたと言うのだ。
川上氏はその期待に応えて3回を2安打1奪三振におさえてMVPを獲得、投手としては9年ぶり、新人投手では史上初の快挙となった。
川上氏は、野村監督の息子である野村克則氏と明治大学時代の先輩後輩にあたり(川上氏が2つ年下)、バッテリーを組んだ仲でもある。野村監督に、そんな親心に似た思い入れもあっただろうか?現在、東北楽天ゴールデンイーグルスの2軍育成捕手コーチを務めている克則氏をゲストに招いて、深意を探ってもらいたいところだが…。
(ユーチューブライター・所ひで)