元横綱・朝青龍の親族が経営するモンゴルのペーパー企業が約50億円で落札したことがニュースになった、朝鮮総連本部ビルの競売問題。そんな出来事をヨソに今、北朝鮮と総連の間に亀裂が入っている。
総連といえば、拉致問題での「制裁」の一環として、日本政府は万景峰号の入港を禁止している。そこに目をつけたのは、金正恩第一書記の側近たる張成沢氏。張氏は故・金正日総書記の妹の夫である。張氏は正恩氏にこう進言したという。
「(北朝鮮の)元山港に豪華客船、万景峰号が動かずに停泊しています。これはもったいない。中国との定期船に使用したいと思います。中国人は普段、客船には乗りませんが、これを賭博船に仕立てて船内で博打をやれば、中国人は大喜びで北朝鮮行きの船の客になるでしょう」
総連関係者があとを引き取って、こう明かす。
「正恩氏は『それならあなた自身が日本の朝鮮総連の許可を得なさい』と答えた。ご存知のとおり、万景峰号のオーナーは総連です。張氏は総連に連絡をとり、中国路線に利用したい旨、申し出ました。ところが総連の許宗満議長は、『あの豪華客船は在日朝鮮人の汗と涙の結晶である。それを中国人のギャンブル場にする気か、このバカモノ!』と怒鳴りつけ、烈火のごとく怒ったのです」
身内同士が大ゲンカで敵対関係になってしまったのである。本部ビル落札で、今後は総連の存亡問題が浮上するが、こんな状況ではもうひと悶着起きるのは必至。内部崩壊の行方が、果たして拉致問題にも影響を及ぼすのか否か――。