UMA研究家らはこの発表をどのように受け止めているのか。作家で日本におけるUMA研究の第一人者、並木伸一郎氏に話を向けると、
「そもそもCNNの報道のオックスフォード大学が調査した毛皮の生物が、イエティとは別の生物だったのでしょう」
と“雪男存在説”を採る。
「確かにヒマラヤ地方にはかなりの数のヒグマが生息しています。彼らは2足歩行をし、全身が毛で覆われていることからイエティの正体として有力視されていることも確かです。しかし、日本を含む世界各国のパーティが夜間、明らかにヒグマとは異なる怪しい毛むくじゃらの生き物を目撃したり、謎の足跡や体毛を発見・記録しているんですよ。
例えば1986年10月、イタリアの登山家ラインホルト・メスナーは記者会見まで開き、『私は登山中にイエティを見た。それは動物と人間を合わせた“ヒューマンアニマル”と言うべき生き物だった』と語っていますし、98年にはアメリカのクレイグ・カロニカもやはり、ゴリラのような姿形の2体のイエティと遭遇。スケッチも残しています。2002年には日本の登山家・小西浩文氏が標高4000メートルにあるチベット寺院に滞在中、“イエティ”と約1メートルという超至近距離で対峙したといいます」
しかし‥‥たいへん失礼な話だが、これらの証言は、捜索費捻出のためのねつ造説を用いて否定できなくもない。すると、
「そもそも、霊長類型のUMA、獣人の生息の痕跡が残るのはヒマラヤだけじゃないんですよ」
と、並木氏は語気を強めた。
「代表的なのが、アメリカの森林地帯で幾度も目撃されているビッグフットです。イエティと似た姿をしており、目撃者によるとその動きは人間そっくりだったといいます。アメリカ・フロリダ州に生息する伝説のUMA、“スカンクエイプ”もまた、類人猿のような容姿をしています。オーストラリアにはヨーウィ、ロシアにはアルマス、中国にはイエレンと、やはり似たようなUMAの目撃情報が寄せられています」
DNA鑑定の結果が出たあとも、まだまだ謎が残り、多くの人がその存在を信じる“イエティ”。いつかその正体に決着がつく日が来るのだろうか。