政治

宮崎謙介〈政界“魑魅魍魎”ウォッチ〉「永田町は『五輪なんて』の選挙モード」

 元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!

 土壇場になって広末涼子と澤穂希も!? それ以前から、宇野昌磨も黒木瞳と、みーんなそう。著名人の聖火ランナーの辞退が相次ぎました。

 コロナ禍で五輪開催の詳細が不透明な状況下、国民の間ではまだ「五輪をやっても大丈夫なのか」という意見が多いのも事実。しかし、辞退の連鎖をヨソに、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、聖火リレーを当初の予定通りに実施すると発表し、3月25日に福島県でスタートしています。

 首都圏1都3県の緊急事態宣言が解除された直後に出たニュースですが、実は「これぞ政府の都合」であって、政権の支持率を気にして発表したとしか思えません。

 とはいえ、観客数は50%、海外客の受け入れは一切ナシ。国を挙げた歓迎空気もないのに「五輪はやります!」という姿勢は、支持率アップに繋がるのでしょうか。

 そもそも「観客50%、海外客ゼロ」を決定した際に、僕としては、菅総理に発令してほしいことがありました。そう、補償ですよ。

 東京五輪を前提に、数年単位で開催回りに投資した企業にとっては、それこそ大打撃じゃないですか。ならば、そういう人々へ補償や施策をもっと打ち出す必要があります。なぜいつも短絡的に飲食ばかりを対象に、ササッと補償を済ませる(規模感を精査せずに)ことに決めてしまうのでしょうか。

 政府は常に、国民の困りごとを先回りして考えないといけない機関ですが、ここ数年で最も想像力に欠けた政権になっています。僕の知っている菅さんは、

「困っている人がいるなら、それはすぐにやった方がいいね」

 とおっしゃる人だったし、賛否はあれど、GoToこそ菅イズムの真骨頂。国会全体に反対意見が多い中、

「観光産業、飲食店、他にも路頭に迷っている国民のためなら進めます」

 と言って、菅総理自身が押し通したのですから。

 それが五輪に関しては真逆の状態です。へっぴり腰で、五輪関連には全く補償を打ち出していません。なぜに? 菅総理、自分を見失っていませんか。それとも、官邸に配慮がないのか。

 いずれにせよ、今の政治スタンスは全くいただけないので、もう一回原点に戻って、誰も取り残されない政治を目指してほしいと思っています。

 総理だけでなく、永田町の「当事者」たちも、問題アリです。なにしろ東京五輪に意欲を燃やしている匂いが、ほとんど感じられませんから。

 永田町は自分たちの選挙のことを考え始め、「五輪なんてやってもやらなくてもいい」みたいな空気ですし、「菅総理のために、身を切られても盾になるぞ」という人もいません。

 そこは、菅原一秀さんと河井克行さんがその役目を担っていたのにな。彼らはずっと前から菅さんにゾッコンだったし、菅さんを総理にするまで、あらゆる汚れ役を請け負っていたのに、スキャンダルにまみれ、汚れちゃいました。

 聖火ランナー、これからでも受け付けてもらえるなら、僕が走りますよ。実はやりたくて応募して、落ちちゃったのです(笑)。欠番の補填はなしですか。オファー、待っています!

宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。

カテゴリー: 政治   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論
4
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
5
世間はもう「松本人志」を求めていないのに…浜田雅功「まっちゃん」連呼のうっとうしさ