元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!
年明け早々から緊急事態宣言ですね。首都圏4都県の飲食店の時短要請で、酒類を提供する店を含む、全ての飲食店の営業が夜8時まで? お酒のラストオーダーが夜7時? そんなのお店に入る時間じゃないですか。7時オープンの店はどうするんですか。マクドナルドも松屋もファミレスも8時閉店って、街が眠ってしまうじゃないですか。さらにどうでもいい強化策、イルミネーションの中止。イルミネーションなんてそもそも縮小しているところが多いし、小さなともし火さえ消してしまうとなると、首都圏4都県は8時以降、お先真っ暗闇です。
さて、今回の緊急事態宣言。特別特措法の改正を待つ前段階にしても、中途半端すぎませんか。
そもそも日本人は根本的に真面目だから、過半数の飲食店は要請を受け入れてしまうでしょう。とはいえ、「要請だからそんなの関係ない」「やらないと経済的に死ぬ」というお店も少なくはないのが現状。直前の決め事では、夜10時までの時短を決めた飲食店への協力金は最大120万円だとか。銀座の一等地で30人が働いていても、家賃5万円でたった1人で営業していても120万円。かえって休業したほうが収入はいいと喜んでいるお店がある中、時短でも営業するメリットを求めて、賽の河原状態でしのいでいるお店が大半でしょう。
ある自民党の中堅議員は、こう話しています。
「年が明けたら、あっという間に総理が日和った。議員の間でも、コロナは指定感染症の指定を外して5類(インフルエンザと同じ)扱いにすればいいのに、という声が多い。1400万人都市の東京で、コロナの重症者ベッドは100床や200床しかないなんてありえない。5類にして広く受け入れ、病院を増やすべきではないでしょうか。知事の『アラート発令です』なんてドヤ顔での報道、メディアもあおりすぎでは」
もちろん、年末に羽田雄一郎議員がコロナで急逝したことは衝撃的で、ナメてかかってもいけません。慎重に指定から外さないといけませんが、実はコロナ患者用の病床数は、日本の病院の全病床のわずか1.8%にすぎないんです。
ここ1年近く、国民みんなが手洗いやうがいを励行しているので風邪をひかなくなり、一昨年に22万人強も存在したインフルエンザ患者は、昨年は約400人だったそうです。インフルエンザと風邪以外のウイルス性の疾病は激減して、飲食店だけでなく、半分以上の病院が経営難に陥って赤字です。
菅総理、この判断は政局に影響ありませんか。1月4日の年頭会見は、僕は外出先で配信チャンネルで見たのですが、リアルタイム字幕が気になって気になって‥‥。「こうした危機的状況」が「美味しそうな危機的状況」に自動変換され、「こうした政策」は「恋した政策」といった具合に。まるで菅総理の内心があらわになったような誤字脱字に、不謹慎ながらも笑っちゃいました。そして菅総理も会見中、とある一場面で‥‥そう、総裁選のことを記者から質問されて、思いっ切り破顔しましたね。
ということは、政局には問題なし? 今回の宣言、長期政権を目指すための「美味しい」アピールなのでしょうか。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。