春のGIシリーズの谷間となる4月24日、阪神6Rの返し馬の際、藤懸貴志騎手(28)に対してムチで馬をラチ沿いまで幅寄せし、粗暴な発言をしたとして、JRAは岩田康誠騎手(47)の「即日騎乗停止処分」(4月25日~5月8日の14日間・開催4日間)を発表した。スポーツ紙記者が話す。
「コトの発端は当日の第2Rの最終コーナーで起きました。藤懸騎手の前にいた馬が外斜行して藤懸騎手が急ブレーキ。その後ろを追走していた岩田騎手も急きょ、外に進路を変更して事故は防げましたが、その時の藤懸騎手の位置取りや裁決室での対応に岩田康騎手は不満を抱いていた。それで6Rで一緒になった際、あのような行動を取り『日本中央競馬会競馬施行規程第147条第20項』(競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者)が適用された。通常の騎乗停止は『翌週から』ですが『翌日から』というのは、かなりレアケースです」
岩田康騎手は「すみませんでした」と反省しているというが、これに怒りを覚えたのが元ジョッキーの藤田伸二氏だ。当日の夜、YouTube「藤田伸二チャンネル」で、翌日騎乗のない現役騎手に電話で聞いた話として、岩田康騎手による「若手騎手イジメ」は”日常茶飯事”だったことを次のように暴露した。
「康誠は自分が中央競馬に入って来てから、自分より後に入ってきた連中たちをイジメてたっていうかね、まあ、そういう情報もチラホラ聞いたんですよ。藤懸だけじゃなくて、4~5人ね、若い子が康誠の犠牲になっているという人間がいるらしいです。藤懸に関しては、康誠が酔っぱらって調整ルームに入って来たらしくて、藤懸は悪いことをしてないのに、いきなりボッコリ蹴られたとか、あこぎなことでいきなり殴られたり。藤懸もそういうのがあって、公正室に報告しに何回か行ってるらしいんですよ」
そのことで岩田康騎手は公正室から始末書を2回ぐらい書かされてるとも。
「康誠は藤懸のこと何が気に入らないか、そこは知らないけども、だいたい競馬でね、馬まで使ってそんなことするっつったら、ホントプロフェッショナルに欠けてるし、すげぇ腹立たしいことであってね。馬券買ってるファンの人にも迷惑かけることであって。ほんとアホなんちゃうかなと。報道だけ見たら返し馬だけでなんでこんな『即日騎乗停止』というのは、みんな不思議がってると思うんですけども、これが事実です」
過去に複数回の暴力行為があったことと今回の件を合わせて異例の「即日騎乗停止処分」が下されたというわけだ。
藤田氏は開催4日間の騎乗停止についても甘いと指摘しているが、春のGIシリーズで盛り上がりをみせているだけに、岩田康騎手には二度とこのような事件を起こさないよう、反省してもらいたい。