中日ドラゴンズで活躍した元プロ野球選手・山本昌氏といえば、41歳でNPB史上最年長のノーヒットノーランを達成。2015年10月にはNPB史上初となる50代での登板も見せ、「中年の星」と呼ばれ注目を浴びた。
そんな山本氏は多趣味なことでも知られるが、中でもラジコン好きは有名だ。1993年、94年と連続最多勝に輝いた翌年の95年に山本氏はひざを故障。二軍では昼前にリハビリが終わり、暇つぶしにと出かけた際、練習場近くにラジコンサーキットを見つけたことがきっかけだったとされているが、そのラジコンのお陰で50歳までプレーできたのだと山本氏が明かす興味深い動画があった。
元プロ野球選手、大久保博元氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉の、4月23日付けで〈第五話 50歳まで投げれたのは「ラジコン」に出会えたから〉と題した投稿回がそれで、山本氏いわく、サーキットに来る熟練の子たちは、「1日8時間くらいいるのに、5、6回しか走らない」のだそうで、1度走らせるとセッティングし直すといった行為を繰り返していたという。
チューンナップのたびにタイムを上げる様子を見るうちに、ケガで苦しむ自身の姿を重ね、「自分のフォームが一番良いとは限らないなと思ったの」と振り返る山本氏。当時の先輩である小松辰雄氏、鈴木孝政氏はケガが治りきらずに35歳前後で引退している姿を見てきたことから、「もしかしてラジコンのようにオレもいろんなことやったら、もっと良くなるんじゃないのか。(投球フォームを)変えることが怖くなくなった」と語ったのだった。
30歳でケガをして、以後20年間自身の「チューンナップ」を続けた涙ぐましい努力の結果が、50歳でのマウンドだったとは…貴重な話が拝聴できる回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)