日本相撲協会は5月27日、理事会を開き、新型コロナウイルス対策ガイドライン違反で夏場所を全休した幕内力士・竜電(高田川部屋)を夏場所から秋場所までの3場所出場停止処分とすることを決めた。竜電は5月20日発売の「週刊新潮」で、コロナ禍による外出自粛が要請されている期間中に、不貞相手の女性の元へ通っていたと報じられていた。
「コンプライアンス委員会の調査で、竜電は昨年3月12日から今年1月20日までの間に計25回も女性と会うためなどで不要不急の外出を繰り返していたことが明らかになりました。そのほとんどが本場所開催中の出来事だったようですが、高田川部屋では昨年5月13日、竜電の付け人だった三段目力士の勝武士さんが新型コロナウイルス感染のため28歳の若さで亡くなっていますからね。自分の身近で悲劇が起きているのに、なぜ自分勝手な行為を繰り返したのか。怒りを通り越して悲しいですね」(相撲ライター)
竜電は5月場所は今回の件で全休しており、出場停止は7月場所と9月場所に適用される。5月場所で前頭14枚目だった竜電は7月場所は十両転落、9月場所は幕下に陥落する模様。復帰する11月場所は幕下下位に沈む見込みだ。
一方、5月場所中に女性が接客するクラブ通いを報じられた大関・朝乃山の処分決定は、同日の理事会では出されなかった。
「芝田山広報部長(元横綱大乃国)が事前に発言していた通り、朝乃山の処分は6月になる見通しです。気になる処分の重さですが、昨年、幕内の阿炎は夜の店通いで3場所の出場停止。今回の竜電も同じく3場所出場停止ですから、位が上でより責任の重い朝乃山は4場所以上の出場停止になる可能性もあります」(前出・相撲ライター)
ただ、朝乃山を巡っては、故郷である富山市の「呉羽地区自治振興会」が処分軽減を求める署名運動を行い、5月28日までに9000件超が集まった署名を嘆願書とともに6月初旬に相撲協会に郵送するという。
処分を受け反省した阿炎は、幕下に陥落した3月場所、5月場所を連続優勝し、7月場所には十両に復帰する。竜電も朝乃山も、はたして今後、心を入れ替え、這い上がってこれるか。
(石見剣)