「ミスタータイガース」の呼び声も高い、阪神タイガースで活躍した元プロ野球選手の掛布雅之氏。本塁打王3度、打点王1度のタイトルに輝くスラッガーながら、プロ3年目の1976年から4年連続で打率3割を打つ有数のアベレージヒッターでもあった。
その掛布氏が、同じく元プロ野球選手、田尾安志氏のYouTubeチャンネルに出演(6月19日)。プロ3年目に打率.325の成績を残し活躍した直後から、「野球が怖くなった」という意外な心境を明かした。
そのシーズンは最終戦で打率を伸ばし、巨人の王貞治氏を上回り5位となった掛布氏は、「難しいとか云々ってこと思ったことがない形で(3割達成を)やってしまった感があって…」と当時を返り、「それから野球の怖さを感じるようになりました」という。
というのも、シーズンオフにはサイン会やイベントに引っ張りだこ。サイン会のギャラは1回あたり20万~30万円で、1年目に“7万円”だった当時の月給を軽く上回ったことから、「そんなのおかしんじゃないか!?」といった疑問も感じたそうで、思いもしなかったプレッシャーを感じるようになったとか。さらに「ファンの期待に応えなければいけない、ファンの期待に応える野球の怖さ」を痛感し、その恐怖を払拭するために練習の虫になったと掛布氏は振り返ったのだった。
掛布氏の原動力が「恐怖心」だったとは…。意外な話が拝聴でき、見応えのある好回であった。
(ユーチューブライター・所ひで)