「いつまでも若々しくいたい」「老けたくない」──老化防止は人類の永遠のテーマだが、そのポイントとして注目されているのが、老化物質「AGE(終末糖化産物)」だ。
これは、タンパク質の糖化反応によって作られる生成物。簡単に言えば、加齢とは体にできる「焦げ」のようなもので、いったん体内でできてしまうと、元には戻らない。体内で作られるものと、食品など体外から取り込まれる2種類がある。食品中に含まれるAGEのうち7%が体内に取り込まれている。
「AGE」は体内のあらゆる臓器で作られ、長い年月をかけて蓄積される。加齢と言われる現象のうち、肌のしわやシミ、動脈硬化、ガン、アルツハイマー病などの原因になるとも言われている。
抑制のポイントは食事だ。血糖値を急激に上昇させると体の中で「AGE」が形成されやすくなるため、早食いや大食いは厳禁。食べる順番も大切だ。最初に野菜、最後にご飯などの糖質を摂り、夜8時以降の食事も控えたほうがいいだろう。
焼く、揚げる、炒めるなど、強火で加熱した調理法は「AGE」が含まれやすい。そのため、「ゆでる」「蒸す」のがおすすめ。これは、糖とタンパク質の間に水が入り込み、糖化反応が起こりにくくなるためだ。
食材は、ほうれんそう、トマト、インゲン、ブロッコリーなどの緑黄色野菜のほか、ブルーベリーなどのベリー類。ヒジキやワカメなどの海藻類、まいたけなどのきのこ類がおすすめ。納豆などのネバネバ食品も食物繊維が豊富なので有効だ。
自分の「AGE」を知るには「AGEリーダー」が便利である。これは、利き手をのせると約15秒で、体内に蓄積された量を測定できる機械。インターネットで「AGEリーダー導入施設」とキーワードを入れれば、近くで導入されている施設が検索できるので、探してみるといい。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。