7月13日の朝、日本中が注目したMLBのホームラン競争で惜しくも延長戦の末に1回戦で敗れたエンジェルスの大谷翔平。この注目イベントから3日前、アメリカで「スポーツ界のアカデミー賞」とも言われているESPY賞の授賞式が行われ、大谷がイチロー氏や野茂英雄氏ら「レジェンド」も獲れなかった「最優秀MLB選手賞」を受賞した。これで全米が完全に認めるたNo.1メジャーリーグプレイヤーであることを証明したことになった形だ。
こんなスゴい賞を受賞したことに日本でも一斉に「おめでとう」「さすが」「本当にスーパースター」などと祝福コメントの嵐。ところが祝福コメントが落ち着くと同時に、なぜか「たいした賞じゃないのでは?」という声が増えたという。
「この賞は様々なスポーツ競技別に受賞者がいるのですが、大坂なおみも、『最優秀女子選手賞』と『最優秀女子テニス選手賞』の2冠を制しているんです。この1年間に2020年の全米オープン、今年に入っての全豪オープンのグランドスラム2冠を制しているわけですから当然といえば当然の受賞。本来なら日本人が2人も受賞と大騒ぎになっていたはずですが、日本では大谷フィーバーにかき消された印象ですし、やはり途中棄権した全仏オープン前後の騒動によって大量のアンチを生んでしまったことも影響している気がしますね。ただ、会見拒否騒動については、大坂はメンタル面での問題があったことを告白しており、同情すべき点は十分あるはずです。ところが、歴代3人目の2冠という快挙にもネット上のアンチからは、『ラケット叩きつけてぶっ壊しても最優秀選手なんですね』という声や、中には『今年の大坂選手に与えるぐらいの賞だからたいしたことないのでは?』と賞そのものにケチをつける声まで見られたんです」(スポーツライター)
その大坂本人は2カ月ぶりに公の場に姿を現す形で授賞式に登壇。緊張から長いスピーチができないとしながらも「まだ終わっていないけれど、今年は私たちにとって本当に厳しいものでした。本当に感謝しています」と語っていた。大谷と大坂が日本が世界に誇る二大アスリートであることは間違いないのだから、ファンの温度差が広がらないことを願うばかりである。
(小机かをる)