沢口靖子主演の人気ドラマ「西村京太郎サスペンス鉄道捜査官」(テレビ朝日系)の最新回が8月2日に放送され、大好評となっている。今回の第19弾はシリーズ20周年の集大成。それにふさわしい見応えのある回となった。だが、鉄道を扱う同シリーズらしくないミスが発覚してしまった。
それは劇中、沢口演じる花村乃里子が秩父鉄道のSLパレオエクスプレスで行く縁結びツアーに参加した時のこと。花村たちは秩父鉄道の熊谷駅からSLパレオエクスプレスに乗車し、寄居駅を通過して長瀞駅へと到着した。その間、映像は花村がシートに腰掛ける場面やSLの走行シーンが流れた。その中にSLパレオエクスプレスが橋梁を通る場面があり、これが問題となっているのである。
「映像の橋梁は荒川に架かっている『荒川橋梁』です。ここは撮り鉄が多く集まる有名な撮影スポット。上長瀞駅と親鼻駅の間にあります。上長瀞駅は長瀞駅の隣で、熊谷から列車に乗って行くと長瀞駅の1つ先です。つまり、熊谷駅から長瀞駅までの区間に荒川橋梁はないんですよ。それなのにまるで荒川橋梁を通過したかのような映像だったため、問題になっているというわけです」(鉄道ライター)
他のドラマであれば問題になることはなかったはず。だが「西村京太郎」の名を冠し、鉄道にこだわりがあるはずの同シリーズだったため騒動になってしまったようだ。
「橋梁を渡るシーンはトリミングされているように見えました。周りの景色をわかりにくいようにして、ごまかしたのではないかと感じましたね。つまり、制作サイドはこのシーンをここに入れるのが本当は間違いであると認識していたのではないかと思われます。SLの走行シーンが足りなかったのでしかたなく入れたのかもしれませんが、そうだとしたら残念ですね」(前出・鉄道ライター)
ささいなことかもしれないが問題になったのは、それだけ鉄道捜査官のファンの愛が強いという証拠だろう。熱心なファンが多い同シリーズの次回作ではそんな細かな点での“完成度の高さ”も期待されているようだ。