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テリー伊藤 対談 海江田万里(3) 保安院の院長は事務屋だった

テリー  海江田さんは菅さんといろいろありましたけど、どういう人なんですか。
海江田  僕は菅さんとはホントに古い友人で、彼が立候補する時も応援に行ったし。まあ、ある時までは非常にうまくいってました。
テリー  ある時って、いつまでですか。
海江田  まあまあ(笑)。具体的に言うと、やっぱり玄海(原発)でしょうね。
テリー  なるほど。一番の国難の時に菅さんが思いつきで動いてるような部分があったんで、周りの人はケツまくりたくなったこともあったんじゃないかと思うんですよ。
海江田  ですから、玄海の時はケツまくりたくもなりましたけども(笑)。
テリー  あの時、原発の再稼働はナーバスな状況でしたよね。
海江田 はい。浜岡を止めたのは地震の危険性があるからいいと思うんですけど、その他は安全が確認されたら動かしますよということは5月の連休のあとぐらいから話をしてて、菅さんもそのとおりだということを言ってくれましたんで。
テリー それが突然、ストレステストだと言いだしましたね。誰が菅さんにそんな知恵をつけたんですか。
海江田  わかりません。まあ、事故があってから、保安院とか安全委員会とかの専門家と呼ばれる人たちの意見がどうも危ういと。
テリー  バラバラだというのもありましたね。
海江田  そう。本当にこの人たちの話だけ聞いていていいのかということで、外部のいろんな人の意見も聞いたわけですよ。その中で総理の耳に入ってきたんじゃないですか。
テリー  それを鵜呑みにしたわけですね。
海江田  それは今度、菅さんに聞いてください。私も知りたいから(笑)。
テリー  そうですよねえ。それから、保安院のヤラセメール問題の時、悔し涙もありましたね。
海江田  私も最初は、保安院の院長というのは当然、原子力の専門家だと思ってたんですよ。そうしたら、いわゆる事務屋さんなんですよ。そういうところからおかしいですよね。
テリー  組織の問題だと。
海江田  それから、経産省の組織でいうと、資源エネルギー庁というのがありますが、これは原発の推進派です。それと保安院の間で人事の交流があるわけです。ヤラセの問題をやった人たちを見てみると、その前までエネルギー庁にいた人なんです。だから、保安院を切り離して独立させるというのは大賛成でした。
テリー  海江田さんは記者会見で何度か辞任すると言って、結局辞任しなかったですよね。あれはどういう事情だったんですか。
海江田  やっぱりやり残した問題に引っ張られたところがあったんです。あの時は損害賠償の機構を作らないといけない。そうしないと支払いが遅れるんですよ。それから再生エネルギー買取法です。これは非常に政治問題化しちゃいまして、私は自然エネルギーに後ろ向きだと、ずいぶん言われましたけど、この2つをやったと。ケツまくって辞めるのは簡単でしたけど。
テリー  でも、あそこで辞めると、海江田さんの人気は上がったような気がするんですよ。代表選の結果も違ったかもしれませんよね。
海江田  そういう意見はありました。鳩山さんなんかもそういう意見でしたね。

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