バイきんぐの小峠英二の新番組が10月にスタートする。「電脳ワールドワイ動ショー」(テレビ朝日系)で、土曜夜10時台(22時25分~)にお目見えする。
MCを小峠が、進行をテレ朝・林美沙希アナが務める30分番組。電脳空間に浮かんだ報道ブースをイメージしたスタジオに、小峠と林アナが登場。世界中のローカル動画を紹介していく。
扱うジャンルは全世界で蔓延中の新型コロナウイルス関連から教育、仕事、流行、害獣、迷惑行為、ごみ問題、スローライフ、結婚まで様々。歯に衣着せぬ辛口バーチャルコメンテーター2人がきつい一言をかますと、小峠がボケで返したり、ツッコミを入れていじり倒していく。各国の解説員がリモートで登場し、懇切丁寧にレクチャーする段取りになっている。
スタートにあたり、小峠は「衝撃映像を紹介する番組はよくありますが、この『電脳ワールドワイ動ショー』はそれとはまったく違う、細~い部分にスポットを当てた、面白い番組。なかなか見ることのできない世界各国の動画が次々飛び出します。普段目にすることのない珍しい動画や情報がたくさんちりばめられています。世界の文化に興味のある方はぜひご覧ください」と、自信たっぷりで薦めている。
外国の動画を取り上げ、面白おかしく紹介するこの番組、実は同局で放送中の「ブイ子のバズっちゃいな!」(水曜24時15分~)が前身。「ブイ子の─」を9月で終了させ、10月から新装開店することとなったのだ。「ブイ子の─」がスタートしたのは、昨年10月。中国最大級の動画配信プラットフォーム「bilibili」の人気日本人クリエーターの山下智博氏を抜擢し、同氏が厳選した中国でバズった動画を小峠が、VTuberブイ子と見ながら、あれこれ寸評を加えていく内容でスタート。番組公式アカウントを開設し、バズる動画をアップしていくというものだった。
中国の動画はたちまち人気を集め、視聴者投票による同局の深夜番組人気ランキングでトップを獲得。特番が制作され、今年4月には放送時間帯も木曜深夜0時15分からに繰り上げられ、10分延長の30分番組になり、スタジオも豪華に、ゲストも増え、より洗練されていった。
「テレ朝は実験的番組を深夜にオンエア。人気に火がつくと、より視聴率の取れる時間帯に移動させ育てていきます。『ブイ子の─』もセオリー通り進めましたが、計算違いもあったようです。それは1回の放送で扱う動画の本数が増え、ネタ不足になったこと。バズッた動画を選考基準にしているため、扱う動画投稿者が固定化され、マンネリ化してしまったんです。予算が潤沢になり、出演者もお笑い芸人からアイドル、中国での動画事情に詳しい関係者までかき集めてしまい、トークに時間を割き、肝心の面白動画がかすんできてしまっています」(テレビ誌記者)
「電脳ワールド─」が、中国に限らず、世界中の動画紹介を売りにしたのも、やむにやまれぬ事情と言えそうだ。
当の小峠は「ブイ子の─」と似ている点については「海外ならではの豪快さや日本との文化の違いを学べるところ」とした。そして、「でもこの新企画は、より社会派かな!動画にまつわる情報がいろいろ盛り込まれていくので、そこは違う部分であり、新しいところだと思います」と、前身番組との違いをに強調したものだ。
ところで、他局でもよく似た番組が始まる。有吉弘行がMCの「有吉の世界同時中継~今、そっちってどうなってますか?~」(木曜夜7時58分~・テレビ東京系)だ。10月7日にスタートし、小峠の番組同様、世界をリモートで結んで現地コーディネーターらと紹介する新番組だ。
「コロナ禍で国内で移動が制限され、海外旅行もままならない昨今、異国に癒しを求める視聴者は少なくなく、海外にネタを求める番組は今後ますます増えそう。制作する側も大枚はたいて現地へロケする必要がないため、制作費が削減できるメリットがある。かわりに求められるのは、扱うネタの新鮮さ、料理の仕方、トークのうまさにかかっている。小峠の新番組は東京ローカルから全国放送に格上げとなるが、最終的に狙うのはゴールデンタイム進出でしょう」(芸能ライター)
ともあれ、どんな番組になるのか見ものである。
(塩勢知央)