夢中になったアイドルドラマの名作は、誰でもひとつやふたつではないはずだ。あの華麗なヒロインは今、どうしているのか──。
アイドル女優の草分けと呼べるのが、岡崎友紀(68)だろう。初主演の「おくさまは18歳」(70~71年、TBS系)がオンエアされると、庶民的な笑顔がウケて、マルベル堂のプロマイド売り上げも1位を独走した。
さらに「なんたって18歳!」(71~72年、TBS系)や「ママはライバル」(72~73年、TBS系)などヒット作を連発。30分枠のドラマでは、坂口良子(享年57)と並ぶ女王だった。
その後、2度の離婚や参議院選挙の落選など波乱万丈な人生だったが、3年前から「一般社団法人 日本トラウムハイム協会」の理事に就任している。
スポ根ドラマの傑作「柔道一直線」(69~71年、TBS系)で、お下げ髪のミキッペを演じたのは吉沢京子(67)だ。やや太めの体型も含め、庶民派のアイドルとして人気を獲得。
近年もマイペースな女優業を続けているが、82年に一度だけ挑んだヌード写真集は、今もプレミアム価格で取り引きされている。
70年代後半、ブレザーの制服が最も似合う女優といえば藤谷美和子(58)だった。中村雅俊主演の「青春ド真中!」(78年、日テレ系)や「ゆうひが丘の総理大臣」(78~79年、日テレ系)や、宮内淳主演の「あさひが丘の大統領」(79~80年、日テレ系)で、3作続けて制服姿を披露。熱狂的なファンが続出する。
やがて「プッツン女優」のレッテルを貼られ、奇行が目立つようになった。03年には皇居前でタクシーに籠城する一件もあったが、今では芸能界復帰の意思はないようである。
初めて客室乗務員を題材にしたドラマとなり、平均視聴率30%を超えたのが「アテンションプリーズ」(70~71年、TBS系)だ。主演の紀比呂子(71)は、この1作でスターダムにのし上がった。数々の主演ドラマも好評を博したが、82年の結婚と同時に芸能界を引退。
02年から都内の家庭料理店をひとりで切り盛りしていた。マスコミには登場しない店として往年のファンも足しげく通ったが、残念ながら19年7月閉店に。
タモリが「笑っていいとも!」(82~14年、フジ系)の「テレフォンショッキング」を立ち上げるきっかけになったのが、伊藤つかさ(54)である。念願かなって85年には、ついに初対面を果たすことができた。
子役からのキャリアも長い伊藤だが、人気が拡大したのは「3年B組金八先生」(80~81年、TBS系)の第2シリーズに出演してから。その可憐さは、セーラー服を着たデビュー曲「少女人形」(81年)にも継承され、大ヒットとなった。現在も舞台やバラエティー番組など、息長く活動を続けている。
大映ドラマの傑作「不良少女とよばれて」(84年、TBS系)で不良少女を熱演したいとうまい子(57)は、あどけない顔立ちはそのままに、野心的な活動を続けている。
芸能界で最も早くインターネットを活用したことでも知られるが、さらに意欲は衰えず、10年には早稲田大学に入学。さらに修士課程、博士課程とキャリアアップさせ、現在はロボット開発にも関わっている。日本で最もかわいらしい研究者の誕生だ。