萌歌はデビュー当時から周囲の期待が大きかった。
11年、過去に沢口靖子(56)や長澤まさみ(34)ら名だたる人気女優を輩出した「東宝シンデレラ」オーディションで史上最年少の10歳でグランプリに輝いているのだ。スポーツ紙芸能担当記者が振り返る。
「同大会は5年ぶりの開催ということで4万4120人ものエントリーがありました。萌歌は弱冠10歳にしてその頂点に立ったわけですが、同時に審査員特別賞を受賞したのが姉の萌音、ニュージェネレーション賞が浜辺美波(21)です」
鳴り物入りで芸能界入りした萌歌は、同年にファッション誌「ピチレモン」の専属モデルとして活動をスタート。翌12年に女優デビューを果たすと、16年からはミュージカル「赤毛のアン」や「魔女の宅急便」、舞台「続・時をかける少女」などで主演を務めてきた。
本名や素性を隠して「adieu(アデュー)」という別名義での歌手活動も話題になる一方、18年には姉と初共演した映画「羊と鋼の森」で「日本アカデミー賞」の新人俳優賞を受賞。その後もひっきりなしに話題作に出演し続けているのである。芸能評論家の三杉武氏はその英才教育に着目する。
「注目されるドラマや映画の出演、美声を生かして歌手や声優への挑戦、早い段階からミュージカルや舞台にも挑戦させて地力をつけさせようとしてきたのは、女優として大切に育てようという事務所の方針がうかがえます。人気女優の登竜門にもなっている『A-Studio』(TBS系)のアシスタントを務めたのもそんな期待の一環でしょう」
ところで、何かと比較されるのが姉の存在だ。
2歳上の萌音は、昨年放送の「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)でのヒロインの新米ナース役が好評を博し、「オリコン上半期ブレイク女優ランキング」1位や「Yahoo!検索大賞2020」の女優部門賞を受賞。NHK朝ドラの主演が控えるなど、同じく飛ぶ鳥を落とす勢いだ。大手芸能事務所のマネージャーが明かす。
「事務所的には当初、オーディションでグランプリを受賞した萌歌をプッシュしていましたが、最近は萌音の充実ぶりが猛追している。同事務所は女性スタッフが多く、派閥ができやすい印象があるのですが、実際に一時期、スタッフの間で“萌音派”と“萌歌派”ができて、互いに牽制し合ってギクシャクした空気もありました」
もっとも、周囲の喧騒をよそに、当の本人たちは仲がいいようだ。姉妹は現在、2人暮らしの同居中だが、互いに服を貸し借りし合ったり、おいしそうな差し入れが現場にあると家に持ち帰って一緒に食べたりしているという。この点は、よく比較される広瀬アリス(26)、すず(23)姉妹と似ているが‥‥。