華々しく世に出るはずだった作品が、何らかの理由で「発禁・回収」という危機に陥った。現在、TBS系で好評オンエア中の「日本沈没─希望のひと─」は、もともと73年に大ベストセラーとなり、東宝で映画化され、当時の日本映画で初めて配給収入20億円を突破した。映画評論家・秋本鉄次氏が言う。
「これに続けと、同じ東宝で74年に公開されたのが『ノストラダムスの大予言』です。ヒットはしたものの、核戦争後の描写などにクレームが入り、公開中から大幅なフィルムのカット。さらに、80年代に入って告知されたレーザーディスクの発売なども見送りになりました」
ひそかに海賊版の映像が今も出回っているという。ドラマの世界では、常盤貴子の出世作となった「悪魔のKISS」(93年、フジテレビ系)が印象深い。
「まだ無名だった常盤は、大胆なシーンがあることを怖れて降板した松雪泰子の代役。これを見事にこなして、一躍、人気女優の仲間入りをしました」(放送記者)
オンエア終了後にビデオの発売も告知されたが、突然の発売中止となる。どうやら、常盤の所属事務所が版権を買ってビデオをストップさせた、というのが放送業界でまことしやかに伝えられている。10月19日発売の「週刊アサヒ芸能」10月28日号では、ほかにもレコード・CDなども含め、「世に出なかった禁断の作品」を広範囲のジャンルにわたって、大特集を組んでいる。