「俺ら生き残ったぞ! 絶対に行くぞワールドカップ!」
10月12日に行われたサッカー・カタールW杯アジア最終予選のオーストラリアとの試合後、ピッチで選手とスタッフが円陣を組み、絶叫したのは日本代表の森保一監督だった。
1勝2敗と最悪のスタートダッシュを切ると、「森保解任」がツイッターのトレンドに急浮上するほど、サポーターの不満が爆発寸前に。4戦目のオーストラリアに敗れれば監督更迭も囁かれていた。
背水の陣で迎えた大一番で、森保監督はフォーメーションを4-2-3-1から4-3-3に変更。中盤は3戦目で失点につながるミスで戦犯扱いされたMF柴崎岳からMF田中碧に変更した。
この秘策がハマり、終了間際に勝ち越し、2-1で勝利を収めた日本代表。現役時代に名ドリブラーとして活躍した元日本代表でサッカー解説者の金田喜稔氏は首の皮一枚でつながった試合をこう振り返る。
「森保監督が覚悟を決めて送り出したMF遠藤航、MF守田英正、田中の三角形のバランスが非常によく、それぞれの持ち味を発揮。サイドもDF長友佑都とFW伊藤純也が制圧し、オーストラリアを苦しめました。2敗している崖っぷちで、『選手に顔を上げろ、前を向け』と言っても心情的には切り替えるのが難しい中、一番の特効薬は目の前の勝ち点3を取ること。アウェーの地から移動し、中3日で一体感を持って戦えたのは本当に大きかった」
2位のオーストラリアに勝ち点差3で食らいつくことはできたが、しかし、森保ジャパンを取り巻く状況は、全然安心できる状況ではなかった─。
7大会連続出場の行く手を阻む「5つの壁」について、10月19日発売の「週刊アサヒ芸能」10月28日特大号で緊急検証している。